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公開日:2020.01.30

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第5回日本エコハウス大賞シンポジウムに参加

第5回日本エコハウス大賞シンポジウムに参加

第5回日本エコハウス大賞シンポジウムに参加にしました。

日本エコハウス大賞

テーマは、

未来につなぐエコハウス
〜住宅のロングライフ設計を考える〜

です。

 

 

 

この日本エコハウス大賞のイベントには、第3回から参加させてもらっております。

きっかけは、とてもお世話になっているSUR都市建築事務所の浦田さんが応募された「雑司ヶ谷ZEH」が大賞候補としてノミネートされてからです。

この企画、イベントを通じて、多くの学びや気づきを得られ、新たな出会いもありました。

自分でもきちんと頭を整理するために、ブログでも紹介してきました。

・第4回の公開審査の様子はこちらです。

・第4回のシンポジウムの様子はこちらです。

・第5回の公開審査の様子はこちらです。

この第5回で「シーズン1」は終了ということですので、自分なりに振り返りたいと思います。

 

日本エコハウス大賞がとても素晴らしい理由

日本エコハウス大賞は本当に素晴らしい取り組みだと思います。

当社は、工務店でも、設計事務所でも、関連企業でもないのに、公開審査やシンポジウムに参加して勉強したくなる魅力があります。

自分なりに感じたことは下記です。

1.コンセプトや意図が明確である

「日本に性能やデザインを両立したエコハウスを広める」

(言葉は正確ではないかもしれませんが・・・)

という視点に立って、全てが考えられています。

企画、広報、イベント、取材、出版などが、きちんと連動しています。

全国の意欲的なつくり手に、

「エコハウスのプラットフォーム」

をつくった功績は、本当に素晴らしいです。

 

2.審査員が素晴らしい

私が書くまでもありませんが、すごいメンバーです。

前先生を除くと全て建築家の皆様ですが、それぞれの方が個性的で、得意技や関心が異なるところが、幅広く感じた部分かもしれません。

社会全般や住宅業界全体に幅広い知見のある審査員だからこそ、

応募する人たちも純粋に

「応募したい。」

「評価してもらいたい。」

という気持ちになったのではないかと思います。

 

3.工務店と設計事務所、メーカーなどとの垣根がない

他のコンテストやコンペなどでは、「設計事務所中心」や「工務店のみ」など、よくわからない垣根が存在しています。

設計事務所と工務店の間には、残念ながら「水と油」のような関係があることは否めません。

ただ、トップランナーの実務者は、そうした関係性が不毛であることがよくわかっています。

優秀な設計事務所でも、優秀な工務店と協働しないと、良い家は造れません。

優秀な工務店でも、設計力が不足していれば、優秀な設計事務所と協働が必要です。

トップランナーの実務者の皆様は、こうした認識のもとに、日頃より積極的に実務やイベントで交流をはかっています。

「設計事務所」や「工務店」という属性を超えて、切磋琢磨し合う雰囲気がとても良かったです。

と同時に、住宅系設計事務所の「厳しさ」を改めて実感しました・・・。

(これは長くなるので、別コラムで書きます)

 

4.アウトプットがきちんとしている

「建築知識ビルダーズ」の誌面は、毎回とても充実しています。

この日本エコハウス大賞に関する事例紹介もとても丁寧です。

関連する解説記事もとても勉強になります。

 

第4回までの応募作を中心に構成されて出版された書籍である

5人の先生が教える 一生幸せなエコハウスのつくりかた(エクスナレッジ刊)

は、本当におすすめです。

エコハウスの正しい知識がとても深まります。

これから家を建てるエンドユーザーは必ず読んでほしい本です。

このHB PRESSのブログでも紹介させていただいております。

 

5.建築知識ビルダーズの木藤編集長が凄すぎる

このイベントを企画、運営する建築知識ビルダーズの木藤編集長は、本当に素晴らしいと思います。

あの審査員メンバーを相手に、取材や審査、イベントを仕切れるのは、木藤さんしかいないのではないでしょうか(笑)。

応募する実務者も、全国のトップランナーが参加しておりますので、その対応も大変かと思います・・・。

今後の大活躍ぶりも、本当に楽しみです。

 

 

第5回日本エコハウス大賞シンポジウムの講演

講演者の皆様の話で、印象的だったことを書きます。

i+I設計事務所の飯塚さんのプレゼンテーション

・工務店と建築家のコラボの要点

・エコハウスとしての技術、性能の確保

・建築としての魅力、価値づくり

・飯塚さんの設計手順
1.屋根と中間領域から考える
2.窓と架構を整理する
3.間取りをつくる

・設計プロセス
1.かたちは屋根から考える
→軒高、階高を限界まで下げる
2.中間領域から考える
→縁側、土間、中庭
3.窓の検討
→温熱、日射遮蔽、立面から考える、採光
4.架構想定
→がらんどう状態をつくる
5.間取り
→抜け、吹き抜け、土間、スケルトン

「内と外との境界部のデザインが重要になる」

という言葉がとても印象に残りました。

 

オーガニックスタジオ新潟の相模さんのプレゼンテーション

・オーガニックスタジオ新潟様の紹介

→創業時の話を初めて聞くことができました。

・スター物件をプロデュース
→建築家の堀部さんとのコラボなど

・新潟の建築家のデザインルーム天野氏の影響
→ランドスケープと一体の設計

・オーガニックスタジオ新潟の3つの特徴
→自然素材を品よく使う
→エコハウスで快適
→庭と一体の設計

・創業のコンセプトメモ
→レーモンドの継承、5つの原則

・標準仕様
→建築家との協働でつくる

・キャッチコピーの変更
→エコハウスで快適

・飯塚豊さんを設計顧問へ招聘
→性能とデザインのバランス
→社内設計担当の設計力向上

・飯塚さんは工務店最強軍師
→アートと技術のバランス
→豊富な引き出し
→高い説明能力

・建築家コラボの妙
→メリット多数
→コラボ目的は明確に
→コラボの極意

「建築が好きで、情報発信してると、新しい出会いや出来事が起きる」

という言葉がとても印象に残りました。

 

サンハウスの野辺さんのプレゼンテーション

・エコハウス大賞に応募した理由
→経営課題の解決の答えを探すため

・エコハウスに取り組むきっかけ
→もるくすさん
→震災
→母の闘病

・「水戸の家」の概要
→水戸の地域、環境を学ぶ
→間取り、外観
→暮らしてみての感想:とても暖かい

「エコハウスのポイントは寛容性のある設計」

という言葉がとても印象に残りました。

 

第5回日本エコハウス大賞シンポジウムの審査員のプレゼン

審査員の皆様の話で印象的だったことをメモで書きました。

備忘録として、勉強したいと思います。

 

<前先生>

・エコハウスをとりまく社会と環境の変化

・ヒートショックの認知度は高まる

・ZEHは真のゼロエネではない

・エコハウスの進化

 

<松尾さん>

・沖縄や南半球への避暑が増える

・夏場に工事ができない期間が増える

・週末を中心に二拠点居住の増大

・炭素税の導入の可能性

・高価な蓄電池に頼る前の改善
→ドイツのゾンネン社

・2024年全電力会社スマートメーター交換完了
→需給連動制の電気料金

・社会の変化
→立地適正化計画
→空き屋率上昇
→比較的程度の良い中古住宅の増加
→新築住宅には今まで以上が求められる
→人工動態の変化

・巨大地震の以前と以後
→首都圏直下型地震
→南海トラフ
→現代の地震は平安時代と対応している予測がある

・未来の住宅に及ぼす影響
→メンテナンスコスト
→ロボット介護
→民泊で利用

「2100年のあすの予測→那覇が一番気温が低くなる」

という話ががとても印象に残りました。

 

<三澤さん>

・改修設計の現状と問題点

・住宅医スクール

・改修設計の事例紹介

「残したくなる住宅をつくること。残すために、住宅を治すこと。」

という言葉がとても印象に残りました。

 

<伊礼さん>

・町とつながるエコハウス
→甲府
→野池さんとのコラボ

・里山の平屋暮らし
→つくば里山博 ヴァンガードハウス
→前先生とのコラボ

「永く住み続けられる家を探して」

という言葉ががとても印象に残りました。

 

<西方さん>

※緊急の電話対応のため、会場の外に出ていて、ほとんど聞くことができませんでした・・・。とても残念でした。

 

日本エコハウス大賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

懇親会も、とても盛り上がりました。

日本エコハウス大賞

 

 

 

 

 

 

 

 

日本エコハウス大賞

 

 

 

 

 

 

 

 

日本エコハウス大賞

 

 

 

 

 

 

 

 

日本エコハウス大賞の「シーズン2」の展開を期待しながら、待ちたいと思います(笑)。

建築知識ビルダーズ関係者様、審査員の皆様、本当にありがとうございました!

またおつかれさまでした。

 

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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