公開日:2018.08.17
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エコハウスに取り組むと「裏切り者」と呼ばれてしまう職業とは?
ハウス・ベースを起業してから「エコハウス」に関する取り組みを実施しています。
背景には「2020年の省エネ計算義務化」などへの対応も理由の一つではあります。
私が「エコハウス」に関する取り組みを実施する本音は下記の3点です。
- 家づくりにおいて、「耐震」や「温熱」の基本性能を確保することは必須であること
- すまい手に「デザインと性能が両立した住宅」を提供したいと思っていること
- 私の自邸がヨメ(かなりの冷え性)から「冬、寒い!」とクレームを受け、自戒を込めて。
小賢しい理屈もなく、自社のビジネスを展開するためなどでもありません。
「冬、寒い家をつくりたくない。(できるだけ光熱費を安く)」というだけです。
このような想いで活動しているのですが、「エコハウス」に取り組むだけで、同じ業界の友人・知人との距離は広がりつつあるという珍事が起きています。
特にデザインを優先する「住宅系建築家(設計事務所)」です。
「住宅系建築家(設計事務所)」のある友人に聞いたところによると、
エコハウスに取り組むと同業者(建築家、設計事務所)から、
「裏切り者!」(または「そっちの世界に行ったのか!」)
と言われるそうです。
普通に考えると、意味がわかりませんよね・・・。
私なりにそうした傾向を「建築家マインド」から分析すると、
「設計やデザインを犠牲にして、エコハウスに取り組むのか!」
「長いものに巻かれて(社会やトレンドに流されて)、設計者としての生き方としてけしからん!」
というような状態かと想像できます。
正しいエコハウスを実践すれば、デザインとの両立は可能なので、全く事実とは異なるのですが・・・。(この辺りの認識は根深いので、世代交代を待つしかないと思っています・・・。)
トップランナーの住宅系建築家の中には、自分の業界内での影響力を考慮して、実作で積極的に「デザインと性能が両立した住宅」を手がける人も徐々に増えてはいますが、まだまだ少数派です。
施主から設計与件として求められないのであれば、エコハウスは取り組む必要がないと考える建築家が多いことも事実です。(知識不足、めんどくさい、コストの説明が手間などが本音です)
一方で、住宅系建築家の中でも、エコハウスや省エネ住宅に前向きに取り組む設計者の方が存在することも事実です。
そのような設計者に共通していることは、
「本気でお客様のことを考えたら、温熱や健康、快適性、経済性を損なうことは決してできない」
「自宅を建てた経験などから、暑すぎる家や寒すぎる家は手がけたくない」
というような想いです。
決して、法改正やトレンドに乗るためというようなレベルの話ではありません。
まずはこのような設計者の人たちと、しっかりネットワークを構築していきたいと考えています。
ハウス・ベースとしては、エコハウスの普及に関して下記のことに取り組んでいます。
- 「HBエコハウス設計講座」:エコハウスのノウハウを実践できる実務者を一人でも増やすことを目標に継続的に開催。(現在、第3期を開催中です)
- 自社の家づくり情報サイト「HB PRESS」:エコハウスに関するコラムを掲載
私は、住宅系の建築家ではありませんので、「裏切り者!」と呼ばれることはありません。
ただ残念ながら住宅系建築家の友人、知人との距離は確実に広がっています・・・。
個人的には残念なことではありますが、こればかりは仕方がありません。
でも実は個人的にこのような状況は、長年経験しています。
起業前の仕事も木造の「耐震工法」の提供でしたが、耐震に関する状況もエコハウスを取り巻く状況に似ています。
一部の建築実務者に共通する考え方で、法律などで「義務」にならない限り、「任意」である間は取り組まないという「後ろ向きの姿勢」です。
私も「耐震」や「エコ」を永遠に叫び続けたい訳では決してありません。
理想の住宅は、デザインや性能(耐震や省エネなど)が当たり前のように備わっている住宅です。
美味しいカレーは、スパイスや具材をわざわざアピールしなくても、全てがバランスよく融合されてシンプルに「美味しいカレー」と表現されるはずです。
「一日も早くエコハウスという言葉が無くなる未来」を目指すべきだと思っているだけです。
「お客様のことを本当に考える設計者は、耐震にもエコにも前向きに取り組む」
「お客様のことより自分を優先する設計者は、耐震にもエコにも取り組まない」
という事実は、設計事務所(建築家)を熟知している私はよく分かっています。(悲しいですが)
「仕事は誰を見てやるか」で決まるので、「ユーザーファースト」を貫き通すために、
弊社はエコハウスに愚直に真摯に取り組んでいきたいと思います。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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