公開日:2018.03.20 / 最終更新日:2018.03.21
2770
家づくりのプロでも自邸を建てないと家づくりを体感できない現実
家づくりに携わる人(設計事務所、工務店、メーカー等)の、自分の住まいに対する考えは、かなりはっきり分かれます。
住んでいる場所にもよりますし、資産や家族の有無、ライフスタイルなどでも変わります。
大きく分けると下記の3つに分類されます。
- 賃貸派
- マンション派
- 持ち家派
住宅に対する価値観は人それぞれですので、どの選択が正しいとかはありません。
住宅を所有することは大きなハードルですし、いろいろな覚悟も必要です。
私も正直なところ、マンションや持ち家を所有する気持ちはありませんでした。
結婚しても、それは変わりませんでした。
それではなぜ持ち家を所有する気持ちになったのか?
土地を購入して自宅を建てるという決断した理由には、より快適な環境で暮らしたい、将来にわたって愛着の持てる住宅を持ちたいという想いも当然ありました。
でも最も大きい理由は、「自分も施主となって、家づくりの経験をしないとお客様の気持ちは永遠にわからない」ということがわかったからです。
将来、家づくりのコーディネートを行う会社を起業したいと思っていた自分にとっては、避けて通れないことでした。
家づくりを実行することは本当に大変です。
単純に下記の壁を全てクリアしなければなりません。
- 家族会議(自分と妻の両方の家族の相続にも絡むので)
- 資金計画(これが最も困難です。お金は無いけど、夢はふくらむので・・・)
- 土地探し(住みたいエリアを決めるのに1年、土地と出会うのに3年かかりました)
- 住宅ローンの決定(共働きですがヨメに「お前が払え!」と言われ、私の命と引き換えに・・・)
- 設計(諸事情により自分で設計しましたが、ヨメの評価はイマイチで・・・)
- 工事金額の調整(予算は当然のごとくオーバーしたので減額提案したらヨメに「小さいオトコだな!」と言われ、ローンの借り入れ額を増やしました・・・)
- 施工会社の決定(仕事柄これだけは信頼できる工務店を決めていたので楽でした)
- 施主としてのやるべきこと(住宅ローン、工事チェック、登記、引越し等の手続き)
一級建築士で、家づくりの仕事をしている自分にとっても、上記全てを自分で実行することは本当に大変でした。
一般のお客様なら、なお大変だろうと思いました。
そうした想いがハウス・ベースの起業や、マッチングサービスの創設につながっています。
自分で経験しないと、あの大変さはわからないと思います。
このブログを読んでいただいているエンドユーザーの皆様にお伝えしたいのは、
家づくりのプロでも、「自宅を建てる経験」がない人もいることは知っておいてほしいと思います。
家づくりは設計や施工だけでは成立しません。
施主として実行するべきことの大変さを理解した上で、きちんとフォローしてくれる家づくりのプロと出会ってほしいと思っています。
ハウス・ベースでは、自分自身で家づくりの経験があるつくり手をなるべくご紹介したいと考えています。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
最新記事 by HOUSEBASE 代表取締役 植村将志 (全て見る)
- 4号建築物も構造図書の保存義務化へ - 2020年1月10日
- 耐震等級の徹底解説!住宅性能表示の構造の安定とは? - 2019年7月29日
- 住宅のリフォームは「健康性能の強化」が必須な理由 - 2019年6月15日
- 工務店は「事業承継できるかどうか」で選ぶ時代に - 2019年5月20日
- 省エネルギー住宅の「全館空調」はエアコンのみで実現できる - 2019年5月19日