公開日:2019.07.02
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家づくりの性能を「プロの意地≦顧客メリット」として語れる未来
家づくりの性能をシンプルに伝えられるプロが求められている
現在の住宅業界のつくり手は、あえて大きく分類すると以下の3つに分かれると思っています。
(ここでは会社の規模や業態には触れません)
①性能重視派
②デザイン重視派
③コスト重視派
上記3つのうち、どれか一つだけしか該当しない会社は、本当に厳しいと思います・・・。
これからの住宅市場は、人口減少などにより大きく縮小しますが、日本の二極化が進むこともあり、大きく二つの層に別れると思っています。
A.富裕層向けの高級注文住宅
B.低所得者向けのローコスト住宅
上記Aの住宅の担い手には、ハウスメーカー、トップランナーの工務店、設計事務所が候補となるのかと思っています。
顧客に選ばれ続ける会社は、「性能とデザインを両立した住宅」をつくれる会社です。
性能重視派であり、デザイン重視派でもある会社です。
家づくりの性能が「プロの意地」の張り合いになっている
以前に比べて、住宅に関する性能への意識が全体的に高まってきたことは、良い傾向だと思っています。
特に耐震や省エネに関する部分は、消費者の意識がとても高いこともあり、差別化を超えて必須事項になりつつあります。
性能を競い合うことは決して悪いことではないのですが、個人的に危惧していることがあります。
それは、
「自分(自社)を正当化するために、他人(他社)を批判する」
傾向が高まっていることです。
住宅の性能に「たった一つの正解」は無いと思っています。
ただそれぞれの余条件を満たす「適切な解」はあると思います。
耐震や省エネも、科学的な根拠に基づく、正しい設計、施工がなされるのであれば、いくつかの選択肢があるはずです。
現代では情報が氾濫しています。
消費者は何を選択すればよいのか、本当に悩んでいます。
今、家づくりのプロに求められている姿勢は、
「自分が自宅を建てるなら、この設計や仕様で建てます!」
と宣言して、性能やデザインを訴求すべきなのかと思います。
少なくとも、
「他社を批判して、自社を正当化する」
「住宅の基本性能である耐震や省エネのグレードを施主に判断させる」
ことは、そろそろ終わりにしてほしいです。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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