公開日:2020.03.11 / 最終更新日:2020.03.12
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4号建築物の構造図書の保存義務化に伴う図書例が公開
4号建築物の構造図書の保存義務化が開始
改正建築士法が2020年3月1日に施行されました。
4号建築物の構造図書の保存義務化などが新たに決まりました。
その詳細記事はこちらです。
概要は下記の早見表をご確認ください。
4号建築物の構造図書の保存義務化に伴う図書例が公開
国土交通省は、新たに保存義務を課した4号建築物の構造詳細図や壁量計算書などの例をウェブサイトで公開しました。
その国土交通省のウェブサイトのページはこちらです。
基礎伏図や各階床伏図、小屋伏図、構造詳細図については、2階建ての木造戸建て住宅における図面例が公開されています。
構造詳細図には、基礎や床組み、小屋組み、軸組みなどの取り合いといった構造方法、柱の有効細長比のほか、部位別の継ぎ手・仕口の構造方法などが記載されています。
図面例は、日本住宅・木材技術センターの作成です。
国土交通省によると、公開したのはあくまでも1つの例とのことです。
どのような金物を使い、どのように取り付けたかが分かるような図書を保存するのが基本的な考え方のようです。
4号建築物の構造図書の保存義務化のまとめ
これまで、壁量計算や四分割法、N値計算については、これまで作成する図書に関する決まりはありませんでした。
そこで今回の改正により、法適合していることを確認する図や計算方法を分かりやすく示した例が公開されました。
保存期間は作成日から15年間です。
2020年3月1日以降に作成した図書が対象になります。
保存しなかった場合、30万円以下の罰金に処されます。
工務店や設計事務所などの住宅実務者の現状からすると、
2階建て以下の木造住宅において、
「きちんとした構造に関する図書を一式そろえられる」
割合は決して多くないと想像できます・・・。
木造でも全棟構造計算(許容応力度計算)を実施している住宅実務者はともかく、
基本は「壁量計算」(4号特例)でプレカット会社任せの住宅実務者には、
なかなか厳しい法改正です。
今回の「4号建築物の構造図書の保存義務化」にきちんと対応するには、下記の対応が求められると想定されます。
1.自社で壁量計算による構造に関する図書一式を揃える
2.「構造に関する図書(仕様規定:壁量計算)のサポート」を手掛ける会社に依頼する
→現行の「省エネ計算サポート」のようなイメージのサービスです。法改正に伴い、新たにサービスを開始する会社が増えることも予想されます。
3.何らかの理由で上記1、2の対応ができない場合や、壁量計算ではNGの案件の場合は、構造設計事務所や木造の構造計算を提供する会社に「構造計算」を依頼して、構造に関する図書を一式揃える
そして上記1〜3のいずれかの対応をした上で、
構造図とプレカット図がイコールになるような設計もしくは監理を行わないと、
その建築士事務所は「アウト!」な存在になります。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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