「接道義務」に気をつけて! 間取りに関わる法規④
望む家=理想の間取りを作るには、まずその土地選びから。土地にまつわる法規制を紹介しているシリーズ、第4回は「道路」はとても重要なポイント、というお話です。
その土地、「道路」に接していますか?
家づくりに関する法律の中で、最も重要なもののひとつ、「建築基準法」。
この建築基準法の中では、「都市計画区域内で家を建てようと思うなら、敷地は道路に2m(または)3m以上接していなければダメ!」と決められています(都市計画区域について詳しくは「そもそもその土地、家が建てられますか? 間取りに関わる法規①」)。
このことを「接道義務」といいます。
「あっ、それなら大丈夫♪ この土地、目の前全部道路だもん」と思ったあなた。
ここで言う道路は「建築基準法で定められた道路」のことです。
一見ちゃんとした道路に見えても、それは「建築基準法で定められた道路」ではないかもしれません。
例えば国道○号線、という立派な名前がついた「公道」でも、幅が4m未満ならそれは建築基準法上の道路としては認められないのです。
つまり、家はどう頑張っても建てられないのです!
建築基準法上の「道路」とは?
では、建築基準法上の「道路」として認められるのはいったいどんな道路なのでしょうか?主なものは以下の通りです。
これらに対して、認められないのは例えば接しているのが私道だけだった、というような場合です。
嘘のような本当の話で、ある人が購入した土地が接する道路が、敷地の半分から「私道」だった! ということがありました。
この場合は、残り半分で建築基準法上の「道路」へ2m以上接道できていたので、なんとかお家は建ちましたが、冷や汗ものですね。
この時土地を販売した不動産業者さんは、目の前の道路が建築基準法上の「道路」かどうかを調べていませんでした。
意外に思われるかもしれませんが、不動産業者さんは必ずしも建築法規に明るいわけではないのです。
つまり、土地購入の時には業者頼みにせず、必ず「自分で」接している道路が「(建築基準法上の)道路」なのかをチェックする必要があるということです。
道路は見た目だけでは属性がわかりません。
建築基準法上の道路かどうかを調べるには、その土地を所管する自治体の住宅建築関係部署に聞くのがいちばん正確です。
まとめ
家を建てるための土地と道路の関係で、もっとも重要な「接道義務」についてお話ししました。
接道義務は奥が深く、今後のコラムでも、ところどころで出てきます。
まずは「家を建てる土地は(建築基準法上の)道路に2m接していなければならない」ということを、しっかり覚えておいてくださいね。
次回は引き続き「道路」のお話。
土地購入を考えた人なら一度は聞く、「セットバック」について説明します。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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