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公開日:2016.07.01  /  最終更新日:2018.11.03

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中古住宅リノベーション

コスト面だけではない、「中古住宅」×「リノベーション」のメリット

家を購入する際、新築か、中古かで悩むことも多いですよね。これからは「中古住宅を買って住む」という発想を「中古住宅を買って《リノベーションして》住む」にバージョンアップさせ、家づくりの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。「古い」という印象しかなかった物件も、たちまちダイヤモンドの原石に見えてくるかもしれません。

コスト面だけではない、「中古住宅」×「リノベーション」のメリット

「リノベーション」という言葉が持つ思想 「リフォーム」とどう違うのか?

「リフォームとリノベーションはどう違うの?」という質問をされることがあります。

専門的には「リフォームは原状回復のための修繕。リノベーションはその家の機能や価値の再生のための改修」と一応は区別できるものの、実はそこに厳密な境界線はありません。

つまり、すまい手やつくり手が「リノベーション」と言うときには、そこには大切な思いが含まれているのです。古くなった設備を使えるようにするのが目的の「リフォーム」ではなく、すまい手の思想や理念、人生に対する考え方といったものまで反映させる改築、すまい手が主体となって行う改築、という意味で使われているのです。

住宅の価値は、市場で取引される資産価値や、建築的性能や便利な最新設備ばかりではありません。今ある住宅を見つめ、あなたにとっての価値を見出し再生させること。それがリノベーションの本質です。

近年、国も住宅政策の柱として中古住宅市場の整備に力を入れています。建物検査(インスペクション:第三者による建物チェック)や瑕疵(かし)保険など、消費者が安心して中古住宅を選択できるための各種制度も充実してきています。

その流れに乗りつつ「リノベーションして住む」ことには、経済的な側面だけではない、たくさんのメリットがあります。ご紹介しましょう。

「中古」×「リノベーション」のメリット、デメリットを知る

「中古」×「リノベーション」のメリットとデメリットを、それぞれ主な5点から考えてみます。

 

《メリット》

1 建物が安く買える

新築戸建は建てた瞬間に評価額が下がります。中古物件は資産価値の下落幅が小さいので、経済的な視点では賢い買い物ですね。

2 時間をかけて少しずつ手を入れられる

優先順位に応じて、最初は最低限だけの変更にし、住みながら徐々に手を加えていくことができます。すまい手の状況の変化(家族の人数など)に柔軟に対応させられる点でも大きなメリットです。

材料が手に入りやすくなるなど、DIYも年々ハードルが低くなってきていますので、ものづくりそのものが好きな方にもおすすめです。

3 古い家ならではの雰囲気がある

大切に使われている家には味わいがあります。よいものを長く使うのが好きな人にとっては大きな魅力です。

4 周辺環境や日当たり、風通しなどが確認できる

既に建っている建物ですから、実際に敷地や建物内を確認できます。住み始めてからの暮らしをイメージしやすく、ミスマッチが起こりにくいのが良いところです。

5 住みたいエリアで家を取得できる可能性が高まる

土地を購入して新築住宅を建てるよりも費用が抑えられるため、人気があるエリアに住むという選択肢が増えます。

 

《デメリット》

1 耐震性や耐久性への対応が必要

家のいちばん大事な基礎や柱、梁といった構造に関して、部分的にしか補修できないので、耐震性や耐久性をしっかり確保する方法を考える必要があります。

2 地盤の補強ができない

既に建物が建っているため、地盤改良工事ができません。

3 住宅ローンの金利が新築よりも高い傾向にある

リフォームローンは、通常の住宅ローンより金利が高めに設定されています。

4 買う前に欠陥がチェックしにくい

購入後でないと壁や床をはがすことができないため、事前に詳しい調査ができません。

5 最終的にかかる費用を見積りにくい

上記の購入後の調査で補修費用が増えることもあるので、予算を多めに見積もっておく必要があります。

 

まとめ

メリットがあればデメリットもあるのが世の常。

しかし、安全性に対するデメリットは特に気になってしまうという方は、近頃主流になりつつある「新築」×「リノベーション」という考え方もチェックしてみてください。

→詳しくは「これからの家づくりは「スケルトン&インフィル」 で考えよう

先行きが不透明な時代に負担の大きい住宅ローンを組まずとも、「中古住宅」×「リノベーション」なら無理をすることなくマイホームを手に入れることができます。

限られた予算と、その家が持つ変更不可能な条件というのは制約のようにも思えますが、制約があってこそ考えを深められるということもあります。より多くの理想を実現できるように考える時間は、すまい手の人生や家族に対する考えかたを確認できるチャンスです。

家族みんなで知恵を出しあい、工夫をし、時には引き算の発想も加えて手を入れて創りあげる理想の家。

「中古」×「リノベーション」の家づくりは、知的でクリエイティブな協働作業として、あなたとあなたの家族をワクワクさせるに違いありません。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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