公開日:2016.07.14 / 最終更新日:2018.11.03
3990
家づくりは「チーム化」でもっとよくなる
施主‐業者という既存の考え方では、どうしても売り手中心の家づくりになりがちです。家はあくまで「すまい手」のもの。「自分にぴったりと合っていて、価格も適正な理想の家」を建てるために欠かせないのはすまい手、設計事務所、施工者の「チーム化」でした。
「すまい手中心主義」で家をつくろう
よく聞かれる質問に「家づくりのパートナーはハウスメーカー、工務店、設計事務所、誰にすればいい?」というものがあります。
私は「あなたが心から信頼できる相手なら、誰でも大丈夫」と答えています。
三者ともそれぞれに長所があります。その長所を理解し、しっかりと信頼関係を結べたならば、結果として納得できる家づくりになるからです。
しかしあえて言うなら、そういった既存の選択肢での家づくりはどうしても「売り手中心主義」になりがちです。
例えば大手ハウスメーカーのように合理性やコストを重視すれば、大量生産の部材を使い、間取りを規格化するのは当然のことですよね。そういう家づくりを選んだ場合は融通がきかない家に自分の暮らしを合わせる必要も出てくるでしょう。
また夢を大きく広げながら設計事務所と打ち合わせを重ねた結果、予算をオーバーしたり、建築家のやりたいことだけが実現していたりすることもあります。
本来、「すまい手中心主義」の家づくりでなくては、自分にぴったり合う家は建ちません。
すまい手の考えのもとに、過不足のない提案をつくり手側が実現する家づくりです。
そうすれば、洋服に例えるとサイズの合わない服に体を押し込むような窮屈な思いもせず、似合わないブランドの服に大金をつぎ込むようなこともありません。
すまい手にぴったりと合う、お金もそれほどかからない家ができます。
理想的な「すまい手」と「つくり手」の関係
しかし、あなたの要望を神様のように理解し、叶えられる「つくり手」は今はまだどこにもいません。理想のつくり手がどこかであなたを待っているのではなくて、「すまい手」であるあなたとの関係を通して、あなたにぴったり合ったパートナーが育つのです。
「理想のつくり手」が育つ良い関係とは、正三角形の力関係です。
つくり手には設計を考える「設計事務所(建築家)」と工事を担当する「施工者」がいますが、ここに「すまい手」を加えた三者が、互いに理解し合い、お互いの知識を活かしあう三権分立のスタイルで、互いに平等な「チームメイト」と言えます。
このバランスをとるには、「すまい手」「設計事務所」「工務店」がそれぞれ自分の考えと技術を持っているのが大前提。
「設計事務所」は「すまい手」の要望を正確に理解し、「工務店」の技も熟知したうえで設計に生かせる人であること。「工務店」は要求の高い設計に応えられる技術を持っている人であること。
そして「すまい手」は「設計事務所」と「工務店」に自分の意志、考えをはっきりと伝え、適正な対価かどうかを判断、支払うことができる人であること。
特に「すまい手」には、家づくりの正確な知識を得ようとする強い意志が必要です。
理想のチームメイトを探す方法
残念ながらこの理想のバランスは、すまい手に努力が必要なのと、業界の慣例で設計事務所・施工者の対等な関係が重視されないことから、現実にはあまり見られません。
けれど、あきらめなくて大丈夫です。負担なく正三角形に近づく方法はちゃんとあります。
正三角形の合否は、つくり手選びにあります。
全国に設計事務所や工務店多しといえども、この正三角形の関係を理解し、ともに歩いてくれるという「めんどうさ」を引き受けてくれるつくり手は多くはありません。
「すまい手中心主義」を理解できるつくり手に出会う方法を紹介します。
【自分自身でチーム作りをリードする場合】
- パートナーシップがとれるかどうかを次の基準で確認する
→コラム「失敗しない工務店選び、10のポイント」
「家づくりはまず最初に建築家のデザインのテイストから選ぶ!」 - 「家のつくり手名鑑」で、良いつくり手の実例を学ぶ
HB PRESSの「家のつくり手名鑑」では、正三角形のバランスをとれる建築事務所と工務店だけしか紹介していません。良いつくり手の本音をインタビュー記事でまとめていますので、つくり手選びの参考にしてください。
候補者を絞れたら実際の建築事例を見に行き、自分が好きになれる家を作っている人に頼みましょう。
頼んでからも、「すまい手」として積極的にコミュニケーションを取り、学び続けます。
→知識を得る方法はこちら「「すまい手」になるための三か条」
【チーム作りに第三者の力を借りる場合】
つくり手を熟知している第三者に、自分の家づくりに合うパートナーを提案してもらう方法もあります。
ハウス・ベースでは、「HB PROJECT」として家づくりサービスを提供しています。
HB PROJECTの家づくりは、すまい手のあいまいな夢を具体化するお手伝いから始まります。また、「あなたの専属チーム」として、ハウス・ベースが太鼓判を押す、希望する家づくりに最も適したつくり手もご紹介しています。
家づくりには、あなたの人生そのものを受けとめ、高い技術力と豊富な経験から親身に相談にのってくれるつくり手が絶対に必要です。
成功する家づくりとは、つくり手選びに成功した家づくりなのです。
私は、すべてのすまい手がよいつくり手に出会えることが当たり前になるように、HB PRESSとHB PROJECTをつくりました。
つくり手選びで困ったことがあったら、ハウス・ベースにいつでも気軽にご相談ください。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
最新記事 by HOUSEBASE 代表取締役 植村将志 (全て見る)
- 4号建築物も構造図書の保存義務化へ - 2020年1月10日
- 耐震等級の徹底解説!住宅性能表示の構造の安定とは? - 2019年7月29日
- 住宅のリフォームは「健康性能の強化」が必須な理由 - 2019年6月15日
- 工務店は「事業承継できるかどうか」で選ぶ時代に - 2019年5月20日
- 省エネルギー住宅の「全館空調」はエアコンのみで実現できる - 2019年5月19日
こちらから(コメントフォーム)自由にコメントください!