家づくりを設計事務所に依頼するなら覚えておきたいタイプ別「メリット・デメリット」
家づくりを手がける設計事務所は、いくつかのタイプに分かれます。デザイン重視、性能重視など、家のつくり手としての姿勢がそのまま仕事に現れていると言ってもよいでしょう。自分にあった設計事務所を選ぶために、「設計事務所をタイプ別に分類」して、メリット・デメリットをお伝えします。
「デザイン重視派」の設計事務所の特徴
設計事務所は「設計をすることがとにかく好き」な人が多いので、基本的にはデザインは重視しています。その中でも、あえてデザインを最優先に考えている設計者をここでは「デザイン重視派」と呼びます。
デザイン重視派に多いのは主にこのような設計者
- 独創性が求められる「アトリエ系」と言われる設計事務所の出身者の方
デザイン重視派に依頼するメリット
- オンリーワンのデザインや、斬新な空間を実現することができる
- メディア(雑誌、WEBサイト等)に掲載される可能性がある
デザイン重視派に依頼するデメリット
- デザインを優先した結果、住宅としての性能や使い勝手が損なわれることがある
- コストが高くなることが多く、予算との調整が必要になる
「性能重視派」の設計事務所の特徴
設計事務所は「お客様のために良い家をつくりたい」と考えている人が多いので、基本的に性能は重視しています。その中でも、あえて性能を最優先に考え、一般的な住宅よりも高性能な家づくりを手がけている設計者をここでは「性能重視派」と呼びます。
性能重視派に多いのは主にこのような設計者
- 自らの設計で自邸を建てた設計者など、すまい手としての実体験が設計に反映している方
性能重視派に依頼するメリット
- 耐震性能や温熱環境など、住宅としての基本性能が高い家を実現できる
- 性能を高くするためのイニシャルコストはかかるが、冷暖房費やメンテナンスコストは軽減できる
性能重視派に依頼するデメリット
- 性能を優先した結果、デザイン性が損なわれることがある
デザインと性能の両立を目指すバランス派の特徴
設計事務所は「設計のプロ」と自負している人が多いので、設計者本人に話を聞けば「デザインと性能を両立します」と答えると思われます。しかしながら、デザインと性能を両立させられる設計者は決して多くありません。なぜなら高い知識と経験値が求められるからです。
デザインと性能を両立できる優秀な設計者をここではデザインと性能の両立を目指す「バランス派」と呼びます。
バランス派に多いのは主にこのような設計者
- 住宅の設計者としての実績が豊富で、家づくりに関して一貫した姿勢がある方
バランス派に依頼するメリット
- デザインが良いと愛着を持つことができ、長くその家に住みたいと思えるようになる
- 性能が良いと耐久性や可変性も高まるので、家を長持ちさせることができる
バランス派に依頼するデメリット
- 特にありませんが、予算とコストのバランスだけは注意しましょう。
まとめ
家づくりに関する価値観はさまざまですが、お客様に設計事務所を紹介する立場からお伝えすると、「バランス派」の設計事務所に依頼することを強くお勧めします。
「デザイン重視」も完成したときは良いのですが、長く住む家なので性能が伴わないと暮らし続けることが難しくなりますし、斬新な設計は飽きてしまう可能性もあります。
「性能重視派」もお勧めではありますが、やはり性能に強い工務店に依頼しても実現は可能です。
設計事務所に依頼することを考えるのであれば、強みでもある「設計力・デザイン力」に期待しつつ、合わせて性能や使い勝手を両立できる家づくりを目指しましょう。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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