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公開日:2019.05.20

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設計事務所・工務店

工務店は「事業承継できるかどうか」で選ぶ時代に

工務店も中小企業ですので他業種と同様に「事業承継」が大きなテーマになっています。経営を引き継げる後継者がいることや、世代交代などに備えた人財育成や仕事の方法を確立しているかがポイントです。このコラムでは、工務店においていかに事業承継が重要で、事業承継ができる工務店がオススメな理由をお伝えします。

工務店にとって事業承継は大問題

工務店にとって、事業承継の問題は最も大きな経営課題です。

工務店の経営者(主に社長)は、工務店の経営において重要な役割を果たしているキーパーソンです。営業から、設計、工事、メンテナンス、リフォームなどに最も精通していることが多いからです。

設計業務は設計事務所に外注も可能ですし、工事も実力・実績のある施工管理者(現場監督)に任せることもできます。しかしながら、会社全体を統括しながら、実際の家づくりを支える仕事は、とても高い能力と経験値が求められます。

工務店の経営は、「社長に依存」することが多いことも事実です。

 

工務店における事業承継の3つの選択肢

なぜ工務店にとって事業承継が大問題なのかというと、廃業という選択は「お客様に不便をかける」「従業員の解雇」「取引先へ迷惑をかける」など様々な問題が発生するからです。

「事業を誰かに承継させる」という観点で考えると3つの選択肢が考えられます。

1.子供や親族への承継

もっともスタンダードな承継方法といえますが、「子ども自身が後継者として適正か?」などの課題もあり、子供に継がせられないケースも多くなっています。日本では自営業=家業という考え方が根強く「親から子へ」が基本でしたが、少子化や価値観の多様化などでとても難しくなっています。

2.社員等への承継

社員に承継させる場合は、他の社員の理解が得られやすく、会社の文化がスムーズに承継されやすいです。しかし、受け継ぐ社員に株式など会社を買うだけの資本力がなかったり、経営能力が不足してることも多く、工務店の承継ではあまり一般的ではありません。

3.第三者への承継

第三者の法人に会社を売却して事業の承継を行います。 会社を売却する方法として、会社をまるごと売却する方法や、事業の一部だけを売却する方法など、いくつかの方法があります。

第三者へ会社を売却するという事業承継は、経営者の考えに合わせて、承継後のリスクを減らし資産を残せることができます。これから最も増える事業承継の方法になるでしょう。

 

工務店が事業承継でM&Aを実施するメリットとは?

工務店の合併もしくは買収においては、お互いの了承のもと適切な工務店間におけるM&Aは、譲る工務店・譲り受ける工務店の双方に大きなメリットがあります。

譲るメリット1.後継者不在による事業承継問題を解決できる

M&Aを実施し、工務店を売る・譲ることで事業承継による問題が解決します。工務店の経営者にとって、従業員の雇用や事業の継続、長年培われてきた取引企業との関係性は、何があっても守りたいという考えがあるでしょう。

譲るメリット2.創業者自身の利潤を確保できる

M&Aによって会社を売却・譲渡すれば、今まで積み重ねてきた技術や商圏、雇用中の従業員を適切な手続きのもとに一定の資産価値を有する状態で譲渡先に譲り渡すことができるため、創業者自身の利潤を確保できます。

譲るメリット3.将来的な先行き不安などの心理的な問題を解決

住宅建築業界の競争化が進んでいる以上、何もせず旧態依然としているのなら、将来的な不安が解消されることはないに等しいです。もし、M&Aによって、自身が経営してきた工務店を事業の安定している優良な工務店に譲渡・売却できれば、先行きが不安視されるような状況から解放されるため、新たなビジョンを掲げられるようになります。

 

工務店が経営統合することのメリット

M&Aによって会社を譲り受けた工務店は、譲渡元の経営資源を取り込み、事業規模を効率よく拡大できます。事業拡大にあたり新規で従業員を雇う必要がなく、雇用や技術、ノウハウをすぐに補完できます。

そのため、M&Aによって工務店を売却・譲渡すれば譲渡先の企業が受けるメリットは非常に大きく、今まで自社の工務店で働いていた従業員は、譲渡先の工務店に再雇用され働き続けることができます。

M&Aによって会社の資源を譲渡先の企業がすべて譲り受けることができれば、事業の拡大に必要な時間を買うことができます。新たな従業員の採用や教育、取引先の開拓など、膨大な時間が必要となる作業をカットし、短期間で人材とノウハウを取得することで、無駄のない迅速な事業展開ができるようになります。

職人の能力不足から技術力の向上を図りたいと考える工務店は、常に優秀な職人を雇用したいと考えています。もし、経営者として優秀な職人を雇用している状態なら、M&Aによって会社を売却することで、高い技術力を持つ職人を雇用したいと考える企業に、職人の雇用を託すことができます。

M&Aによって事業を譲り受けた企業は、高い技術力を持つ職人を雇用できるため、既存の職人の技術力を向上させるための教育体制を作り上げることができます。

そのため、工務店を売却すれば、事業を拡大したいと考える譲渡先の企業に大きなメリットを与えることができます。

 

まとめ

すまい手にとって、家づくりの依頼先である工務店とは「建てて終わり」の関係ではありません。設計から工事完成までのプロセスも大切ですが、住み始めてからの「メンテナンス」で長く付き合うことになります。そのためにも、依頼する工務店が事業承継についてどのように考えているかを確認することはとても重要です。シンプルに「事業承継はどのように考えていますか?」と工務店の経営者に質問してみましょう。信頼できる工務店の経営者は、正直に会社の将来を語るはずです。

この記事をご覧になって「解決できなかったこと」、「質問してみたいこと」などは
こちらから(コメントフォーム)自由にコメントください!

今回ご紹介する優秀な工務店

ジェイホームズ株式会社 

意匠性・機能性に優れた家づくりを通じ、 地域の皆様のお役に立ちたいと思っています。 建物のデザイン性と性能・機能を融合させ、 経験豊かな管理者と熟練した職人が妥協のない向上心を持って、 品質の高い住環境の実現を目指しています。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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