省エネ住宅の普及へ東京都が「東京ゼロエミ住宅」で70万円補助
東京都は2019年度から、家庭部門のエネルギー消費量の削減を目的に、断熱性能や省エネ性能に優れる「東京ゼロエミ住宅」の普及を目指すと2019年1月29日に公表しました。東京都が独自に定めた「東京ゼロエミ住宅」の仕様や性能の規定を満たす、UA値0.7W/m2K以下で現行の省エネルギー基準より３割程度エネルギー消費量を削減できる住宅に対し、１棟あたり70万円（戸建て住宅の場合）の補助金を交付する内容です。画期的なのは、省エネ基準適合の複雑さを解消するために、各種計算ではなく、使用建材・設備の性能値を確認するだけで水準適合できる「仕様規定ルート」が原則であることです。
東京ゼロエミ住宅の仕様住宅に対し１棟当たり７０万円を補助
国土交通省のデータによると、住宅や延床面積300m2未満の小規模建築物における現行の省エネ基準の適合率は約60%程度であり、一次エネルギー消費量や外皮性能の計算に習熟していない一部の工務店や設計事務所の存在が適合率の低さの原因の一部と指摘されています。
そのため東京都はそうした状況をふまえ、木造住宅についてはより多くの工務店が性能の高い家づくりに取り込めるように配慮し、仕様規定のみによる認定としたようです。
東京都は２０１９年度予算案に東京ゼロエミ住宅を推進することを目的に、「東京ゼロエミ住宅導入事業」に１８億円の予算を盛り込んでいます。戸建て住宅で東京ゼロエミ住宅の仕様に適合した住宅には、１棟当たり７０万円が補助されます。予算規模は１５００戸分を見込まれています。
今後開かれる2019年3月の東京都議会での審議を経て、補助申請の受け付けを開始する予定です。
東京ゼロエミ住宅は計算ではなく「仕様規定ルート」が原則
東京ゼロエミ住宅では、断熱性能の高い住宅をつくりたくてもＱ値（熱損失係数）、Ｕ値（熱貫流率）などを計算することが難しく作業が進まない一部工務店への配慮をして、多くの木造住宅会社が高性能住宅を都民に提供できるようにしているのが大きな特徴です。
木造住宅のみの仕様は年間消費エネルギーや燃費を計算しなくても、建材カタログを調べるだけで、「東京ゼロエミ住宅」を建てることができる工夫がされています。
具体的には壁や天井、床材、土間などの断熱材については、各熱抵抗値（Ｒ値）で要件を提示し、窓は省エネ建材等級（窓ラベル）星４、玄関ドアはＪＩＳグレードＨ－３等級またはＫ３仕様などです。
この仕様で戸建て住宅を建てると、国が定める省エネ基準よりも３０％程度省エネできる住宅になるという狙いです。木造住宅を含めたすべての構造の住宅の場合の仕様要件は、Ｕａ値０．７Ｗ／ｍ２・Ｋ以下としています。
まとめ
「東京ゼロエミ住宅」であれば、仕様・設備を選ぶ段階で、各メーカーのカタログから一定の性能数値を満たすことを確認するのみになります。外皮計算などをする必要がないため、基準適合を判断する手間はほとんどなくなります。工務店にとっては、業務が簡素化されて性能と生産性が高まることになり、施主にとっても補助金の大きな恩恵を受けられることにつながります。
今回ご紹介する優秀な設計事務所
家づくりは人と人との信頼関係です。何よりも設計者と建築主とのコミュニケーションが大事だと思います。私たちの提案「パッシブデザイン・ゼロエネ住宅」「高い性能、使い勝手とコストのバランス」「庭づくり」に共感していただけるなら、いっしょに家づくりをしませんか。楽しい協同作業からは、大らかな空間を持つ素晴らしい住宅が生まれます。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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