中古住宅でも高く売れる!資産価値のある不動産とは。
新築の建物を買っても、いざ売ろうとすると建物の価値がほとんどなく、ほぼ土地の価格のみで売らざるを得ない…。これは、日本特有の問題です。しかし、中古住宅でもある条件をクリアできていれば、価値をある程度キープすることができます。一体どのような物件なら価値を保ち続けられるのでしょうか?
日本だけ!建物の価値は25年でゼロになる
資産を運用するメジャーな方法の1つでもある、不動産への投資。
不動産を持つということは、将来のために資産を保存するという側面もありますし、手放したいときには売却したりモノと交換したりもできるので、資産としての価値は大きいと言えます。
しかし、住宅に関していえば状況は異なり、価値が保たれていないケースが多いのです。
戦後からバブルがはじけるまでの間は、土地の価値が上がり続けていたのでこの問題は表に出てきませんでした。
しかし、バブルが崩壊すると、「建物に資産としての価値はない」という認識が広まるようになりました。
実はこれは日本だけで起こっている問題なのです。
日本では、建物の価値が25年ほどでなくなるということが当たり前のことになっていますが、この状況は先進国の中で、日本特有です。
ここで、「国富」に注目してみましょう。
「国富」とは国民が保有する土地・建物などの住宅資産から、借金などの負債を差し引いたもの。
文字通り国全体の富のことで、正味資産とも言われます。
2014年度の国民経済計算によると、日本の国富は3108兆5236億円。
その中で、土地と建物の資産の比率はおよそ7対3で、土地の資産の方が圧倒的に多い状況です。
しかし他の先進国では、建物の資産の比率の方が大きく、日本とは逆の状況になっています。
例えばアメリカでは、土地と建物の資産の比率は1対3の割合です。
少子化である中で、日本の人口や世帯の数は、今後どんどん減っていきます。
それにつれて、土地の資産額がさらに減ることは明らかです。
これはどの土地も均一に減るのではなく土地によってバラバラで、価値がしっかり保たれる土地もあれば、大幅に落ちてしまう土地もあり、土地によって二極化されると考えられます。
価値が下がらない中古住宅とはどんな物件?
人口が減っていくにつれて、空き家問題も深刻化します。
それに加えて、過大評価されていた土地の価値に関しても見直しが行われると考えられます。
それではどのような土地が価値を維持できるのでしょうか?
土地の価値を考える際に重要なのが、今後その土地の人口が増えるのか減るのかということ。
例えば、都内の中心部や生活のしやすい都市部などの人気の立地、または自治体が「人口密度を維持する」という政策を掲げているような立地では、住み手が減ることがないため、土地の価値も保たれやすくなります。立地によっては、価値がアップすることもあるかもしれません。
しかしこのような立地以外では、土地の価値が下がり続けていく可能性があります。
このような立地に加えて、メンテナンスがきっちり施された建物や新築の時のスペックが高い住宅は、同じ中古住宅でも資産としての価値をキープしやすいんです。
住宅の価値をしっかりキープできるのであれば、住宅の購入はまさに「資産」となりますよね。
この住宅を元手に住み替えもしやすくなります。
現状では、大金をはたいて購入した住宅がほぼ土地の価格になってしまい、住み替えたくても元手が少ない!というジレンマを抱えている人がたくさんいます。
もし住宅の価値が下がらないのであれば、そんなジレンマから解放され、住宅を購入することで資産を得られるようになるんです。
また、一部の銀行で利用できる「リバースモーゲージ」にも徐々に注目が集まっています。
「リバースモーゲージ」とは、「自宅を担保として融資を受け、借りたお金は死亡時に自宅を売却することで返済できる仕組み」のこと。
自宅を売らずに、そのまま住みながら現金を得られるため、生きているうちに住宅資産を無駄なく使い切ることも可能になります。
まとめ
現在のように建物の価値が下がってしまう状況においては、どうしても消費を抑えがちになってしまいます。家計内の債務超過に陥っているケースも多く、持ち家が負担になってしまっていることがわかります。
また、土地への投資に関しては、最初の開発が済むと、その後の新しい投資はほとんど生まれません。
一方建物の場合は、修繕やリフォーム、リノベーションなどの投資が定期的に行われます。
しかし、日本においては、リフォームに対する投資は、全住宅投資の30%弱。
これは他の先進国の半分ほどに過ぎないのです。
これまでの住宅市場は、「新築の建物を建てるのが一般的で、買ったらすぐに価値が下がり、中古住宅に価値はない」というあり方でした。
しかし今後は、「中古住宅でも、住み手の需要のある立地にあり、建物の状態が良ければ価値を保ち続ける」というあり方に、徐々に切り替わって行くと思われます。
このような過渡期のタイミングでの住宅購入は、なかなか判断が難しいもの。
そんなときの判断をあと押しできるような情報を、このHB PRESSで発信していきます。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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