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公開日:2017.07.25  /  最終更新日:2018.11.03

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注文住宅家づくりと費用

家づくりを予算内で抑えるための5つの原則

注文住宅には「相場」や「定価」はありません。こだわりの家づくりを実践するために予算を潤沢に準備して建てることもできますし、設計の工夫で費用を抑えた家づくりも可能だからです。予算内で満足できる家づくりを実現するためには、費用を抑えるところと、費用をかけるところのバランスが重要になります。

家づくりを予算内で抑えるための5つの原則

家づくりの費用を抑えるための5つのポイント

ほとんどの人の家づくりには「予算」があると思います。予算内で満足できる家づくりを実現するためには、費用を抑えるところと、費用をかけるところのバランスが重要になります。

家づくりの費用を抑えるための5つのポイントをお伝えします。

1.土地の価格を抑える

土地を購入して注文住宅を建てる場合は、家づくりの資金計画の中で土地の取得費用が家づくりの総予算の大きな割合を占めることになります。都市部での家づくりにおいては、総予算の半分以上を土地取得費用に費やすことも多いと思います。

同じエリアの土地でも、敷地の広さや形状、方位、場所、地域などによって土地価格に差があることもあります。単純な話ですが、土地取得費用を抑えることで、建築工事費に使える予算が増えることになりますので、土地購入のみを先行せず、まずは信頼できる住宅会社を先に選び、相談しながら土地取得を行うことが賢明です。

2.家の大きさをコンパクトにして、カタチをシンプルにする

家の面積が大きくなると、施工床面積(工事を行う部分の面積)が大きくなります。結果として材料費、施工手間が増えますし、必要な足場や工期も長くなり経費がかかります。そのため、建てる家が大きいほど費用はアップします。

同じ床面積の家でも、平面形状や立面形状に凹凸が多い間取りやデザインだと、外壁材やアルミサッシ等が増えることになり、施工手間もかかるため、費用は大きくなります。費用を抑えやすいのはシンプルな形状の間取りやデザインです。

3.オープンな間取りのほうが費用を抑えられる

注文住宅の場合、間取りによって見積り金額が異なりますので注意が必要です。

費用が余分にかかる要因としては、主に下記のような間取りです。

  • 部屋数が多い間取り
  • ロフトやスキップフロアを多用する間取り
  • 複雑な形状の間取り

上記の3点とも、材料や施工手間が増え、建具の数も増えることでコストアップにつながります。収納の扉の数なども気づきにくい点ですがコストアップの要因です。

相対的に、間仕切りの少ないオープンな間取りのほうが、必要最小限の材料、施工手間となり、費用を抑えやすくなります。

4.設備機器や使用する建材のグレード

注文住宅の家づくりにおいて、すまい手のこだわりが強く、なかなか希望と予算の折り合いをつけることが難しいのが、設備機器や建材の選択です。

注文住宅において設備や仕様面で建築工事費の費用に大きく関連するのは主に下記の項目です。

  • キッチン:既製品、オーダーキッチンともサイズ、仕様等で価格は大きく変動する
  • 浴室:ユニットバスのグレード、オリジナルのバスルームの仕様等で価格差がある
  • 洗面化粧台、トイレの便器等の衛生機器のグレードにより価格差がある
  • 外壁材:サイディング等の乾式のものと、塗り壁等の湿式のものとの価格差がある
  • 窓:防火指定の有無、アルミサッシとアルミ樹脂サッシの違い等による価格差がある
  • 床材:既製品のフローリングと、無垢材のフローリングでは価格差がある
  • 内部建具:既製品のものか、建具屋さんが製作するものかで価格差がある
  • 造作家具:造り付けの家具は、家具屋さんや建具屋さんが製作するので費用がかかる
  • 照明器具:個数、グレード等により差がある

上記の項目の価格差は、製品自体の価格差もありますが、施工方法や下地処理などが必要なものは大工さんや職人さんも施工手間代も変わってきますので、「人が関わる部分が増えると高くなる」と認識しておいてください。

5.これだけは削ってはいけない項目があることを認識する

家づくりにおいては、安心・安全であること、快適な住環境が必須になります。そのためには、住み始めてからは改修することが難しい「耐震性」や「温熱環境」の確保は必須となります。先に費用をかけておくことで、トータルとして「お得な家づくり」を目指す方法です。

世界一の地震国:日本では、家の耐震性能の確保は必須ですから、構造躯体や基礎の品質など建物の「見えない部分」の性能が重要です。地盤が弱い敷地の場合には、地盤改良工事による補強が必要になります。そうした部分の費用は削らないように、住宅会社と意志の共有を心がけてください。

また、家の温熱環境も快適な暮らしには必須となります。「夏は暑くて、冬は寒い」家で暮らすと、健康面でのリスクや想定以上の光熱費がかかることになります。そうならないためには、パッシブデザイン(自然の力を活かす設計手法)の設計を行ない、断熱・気密性能を確保した上で、開口部の性能を向上(アルミ樹脂サッシの採用等)させるなどの対策が必要です。

まとめ

家づくりの費用を抑えてなるべく予算内に注文住宅を建てる場合のポイントをまとめます。

  • 施工床面積の少ないシンプルな家にすること
  • 自分のこだわりに優先順位をつけて、あまりこだわらないところはスタンダードなものを選択する
  • 目に見えない部分(構造躯体や温熱環境等)の費用は削らない

上記のような点をふまえた上で、せっかくの家づくりですから「どうしても実現したいこと」に費用をかけられるような家づくりを実践しましょう。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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