すまい手とつくり手をつなぐハウス・ベース

家づくりの課題をクリアするためには起業しかなかった！

ハウス・ベースの起業に至るまでの僕は、建築設計事務所、工務店、構造躯体メーカーと、建築業界内をわたり歩きました。同じ業界でもジャンルの異なるそれぞれの会社で、そこでしか得られない知識や技術を習得し、非常にやりがいを感じながら仕事にはげんでいたのです。

そんな充実した毎日の中でも、僕はあることにジレンマを感じていました。

それは、これから家を建てようと考える人のために家づくりのリアルなガイド役となるサービスがないこと。

そして家づくりの方法として限られた選択肢しか与えられていないことです。

住宅系のサービスはいろいろありますが、その内容のほとんどは情報提供者や住宅供給者側の都合のいいようにつくられています。すまい手が本当に欲しい情報や、第三者の目線でつくり手の真実の情報を伝えることができるサービスは、一切見当たらないのです。

特につくり手の情報は、家づくりの初期段階から必要不可欠なもの。それなのに、インターネットがこれだけ普及した現在でも、住宅・建築業界にうとい一般の人が、自分の力でいいつくり手にたどり着ける確率はとてつもなく低いのです。 仕方なく大手ハウスメーカーに相談しても、欲しい家のイメージを正確に伝えることは難しく、提示された見積もり額も高いのか安いのか、見当もつかないでしょう。

最善策は、すまい手が自分の目指す家に近い作風やコンセプトを持つつくり手を自由に選べること。そして予算を伝え、その中でできることとできないことを明確にし、できないなら代案をしっかり提示してもらえることです。よく「いい家をつくるには、いい人・いい会社と出会うこと」と言われますが、「いい人・いい会社」とは取りも直さず、すまい手が自分で選んだつくり手であり、すまい手のために唯一無二の家をつくり上げるつくり手のことなのです。

僕は長年、建築実務に携わってきたお陰で、日本全国に点在するたくさんの素晴らしいつくり手、信頼できる会社と出会うことができ、これは一生の財産だと感じています。でも、いいつくり手は、決まって頑固一徹（笑）。自分たちで自社を宣伝したり、アピールすることは苦手な人がほとんどです。一方で家づくりのためにいいつくり手を求める人がいて、もう一方でアピール下手だけどいいつくり手がいる。両者が出会わないのはもったいない！そう思った僕は、この課題をクリアすることを目指し、自分で起業する決意をしたのです。

すまい手が本当に欲しい情報を発信する「HB PRESS」

すまい手とつくり手のベストな出会いのために、まず当社が手がけたプロジェクトが、みなさんが今ご覧になっている、家づくりの「リアル」を伝えるWebマガジン、「HB PRESS」です。家づくりに関する情報はインターネット上にも本にもたくさん書かれていますが、サイト数も書籍数も膨大すぎて、とても調べきれるものではありません。そこで HB PRESSは、オンラインで本当に価値ある情報だけを発信することにこだわり、スマートフォンでも気軽に記事を読めるようなコンテンツをつくりました。

全国の設計事務所や工務店などを取材し、そのコンセプトや魅力を伝える「家のつくり手名鑑」、ハウス・ベースや有志のつくり手が発信する家づくりにまつわる情報記事、「HBコラム」、家づくりに必要な情報を流れに沿ってわかりやすく解説する「家づくりの基礎知識」の3部構成。現場のリアルな情報を発信することで、夢の家づくりを現実にする、まったく新しいWebメディアです。

家づくりの新しい選択肢をつくり続ける 「HB PROJECT」

すまい手とつくり手のベストな出会いに加えて必要なのが、家づくりの選択肢を増やすこと。そのために当社は、「HB PROJECT」を立ち上げました。HB PROJECTとは、「デザインビルドチーム」による「スケルトン＆インフィル」の考え方による家づくりです。わけのわからないカタカナが並んでいると感じる方もいらっしゃるでしょうが、しばしお付き合いください（笑）。

「スケルトン＆インフィル」とは、「スケルトン＝家の構造躯体」と「インフィル＝内装・設備」をしっかり分けることにより、時代やすまい手の変化に対応して自在につくり変えることができる、長寿命の価値ある家をつくること。プロのつくり手が強く安全で長持ちする、そして普遍的なデザインのスケルトンを提供し、インフィルはすまい手が自分でDIYしたり、プロのインテリアデザイナーに依頼したりと、自由に編集することができる方法です。

そしてこれを実現するためになくてはならないのが、「デザインビルドチーム」。設計事務所と工務店が設計段階からチームを組み、お互いのノウハウを活かしながら、より長寿命で価値あるスケルトンハウスを、コストパフォーマンスよくつくり上げます。

HB PROJECTの優れた点は、

• インフィルをプロがつくらないことで、従来の注文住宅と比較してコストを抑えることができる
• すまい手がインフィルの工事を自分で手配することで、自分らしい家をつくることができる
• ライフスタイルの変化に応じたインフィルのリノベーションがしやすい

このプロジェクトがこれからの家づくりのスタンダードになることを願ってやみません。

The following two tabs change content below.

• この記事を書いた人
• 最新の記事

HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

最新記事 by HOUSEBASE 代表取締役 植村将志 (全て見る)

• 4号建築物も構造図書の保存義務化へ - 2020年1月10日
• 耐震等級の徹底解説！住宅性能表示の構造の安定とは？ - 2019年7月29日
• 住宅のリフォームは「健康性能の強化」が必須な理由 - 2019年6月15日
• 工務店は「事業承継できるかどうか」で選ぶ時代に - 2019年5月20日
• 省エネルギー住宅の「全館空調」はエアコンのみで実現できる - 2019年5月19日