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公開日:2016.03.31  /  最終更新日:2018.11.03

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建築業界をわたり歩いてきた、僕の略歴<前編> 

僕は少年時代にはすでに建築に興味を持ち、建築一筋に生きてきた不器用な男です。一筋とはいっても、業界の中ではさまざまなジャンルの会社をわたり歩き、多くのものをこの目で見て、経験を積んできました。今回はそんな僕の半生をお話ししましょう。

このコラムでわかること

  • HOUSE BASE代表:植村の生い立ちです。
  • 建築の道に進んだきっかけや、設計事務所での修行時代。
  • 大きな建築をつくる仕事から、住宅の仕事に移った動機。

僕の半生

スポーツ少年が天職を見つけた!?

僕は1974年、群馬県沼田市に、3人兄弟の長男として生まれました。群馬県の北部にあり、古くから木材の集積地だった沼田市は、市場街として発展してきたところ。戦国時代末期には、2016年の大河ドラマの主人公、真田幸村で知られる真田家が領有していた土地でもあります。

幼いころの僕は、世界の国旗に夢中になり丸暗記するというちょっと変わったところがある子どもでした。学校のクラスの中では割とリーダーシップを発揮するタイプで、学級委員を務めたことも。これといって特技はなかったものの、スポーツはやるのも見るのも大好きで、小学校では野球、中学校ではサッカー、高校ではスキーと、体を動かすことに明け暮れた青春時代でした。祖父が材木屋、父が建築関係の仕事をしていた影響からか、僕自身も中学時代にはすでに建築の仕事に興味を持っていて、「将来は自分もこの道に進むんだろうな」と、漠然と思っていたものです。

僕の建築への道を決定づけたのは、高校時代に美術館で2つの建築の展覧会を見たこと。日本を代表する建築家、磯崎新氏と、アメリカの現代建築の巨匠、ルイス・カーン氏の建築展でした。2氏ともに、建築設計に携わる人間なら
誰もが知る巨匠ですが、当時の僕は何の予備知識もなく、興味本位で見に行っただけ。にもかかわらず、展示されている写真や模型などの迫力に圧倒され、「自分も建物の設計をする人間になりたい」と強く思ったのです。

そのころは、同級生と進路について話しても、みんなはまだ、やりたい職業を目指すために大学を選ぶというより、どの大学のどの学部へ進学するかに興味津々。でも僕は明確な夢を見つけていたので、迷わず建築学科に進学することを決めました。どちらかというと文系科目の方が好きだった僕ですが、大学合格のために苦手な理数系科目を必死で勉強する羽目に陥ったのです。

その甲斐あって無事に大学に合格し、進学をきっかけに故郷を離れて単身上京。大学で専門科目を学んでいくうちに、自分の適性や能力はさておき、「設計をする人間になりたい」と思う気持ちはますますふくらんでいきました。設計製図の課題には自分なりに前向きに取り組み、テーマに基づいて自分でゼロから考え、図面や模型などで表現することにやりがいを見出す日々。意匠(デザイン)系の研究室を選んで、卒業設計にも熱心に取り組み、優秀作品に選ばれるという成果を上げることもできました。

いよいよプロとしてデビュー!

右も左もわからない新卒の僕を受け入れてくれたのは、社員数30人ほどの伝統ある建築設計事務所でした。学校をはじめとする公共建築や、民間の福祉施設、商業施設などの設計実績が多い会社で、最初は見習いからのスタート。上司や先輩の指導のもと、図面の書き方から工事監理の心得、クライアントとの打合せのコツなど、さまざまなことを学びながら実務経験を積む毎日でした。設計コンペやプロポーザルにも積極的に参加する会社だったので、提出期限が近づくと会社に泊まり込みで作業に没頭することも。鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物の設計を数多く経験し、とても勉強になりました。

仕事は充実していたのですが、この会社では比較的規模の大きな仕事が多く、依頼主も地方公共団体や企業がほとんど。発注担当者は実際にその建物を使う人ではないケースも多々ありました。使う人、住む人の顔が見えない建築に物足りなさを感じ始めた僕は、次第に、自分の財布からお金を出してその人自身が使う建物の設計をしたいと考えるように。特に未経験だった木造の設計も勉強したいという思いが強くなり、工務店に転職する決意を固めました。

この続きは「建築業界をわたり歩いてきた、僕の略歴<後編>」にてお話しします。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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