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公開日:2016.12.05  /  最終更新日:2018.11.03

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向上心を持ち続ける職人集団でありたい!

埼玉県川口市に本社を持ち、主に埼玉や東京で家づくりを行っている「株式会社桜井ハウジング」。代表の桜井暁雄(さくらい・あきお)氏は、2015年より東京に代々木事務所を開設し、活動の場を広げています。代々木駅近くにある代々木事務所で、桜井さんに家づくりの話を聞きました。

代々木に事務所を開設する

代々木に事務所を開設する
生まれも育ちも埼玉で、今も川口に住んでいます。川口に自宅兼事務所があり埼玉での仕事が多かったのですが、数年前から設計事務所案件の仕事が増え、東京都内の現場が多くなりました。そこで都内に事務所を開設する必要性を感じ、当初は赤羽駅近くに事務所を開設したのです。商店街にある古い店舗を自らリノベーションして、丁寧につくったお気に入りのオフィスでした。ただ所有者の方のご都合で解体されることになってしまいまして(苦笑)。そこで新たな事務所を探していた際に、この代々木の事務所と出会いました。

この代々木事務所は、JR代々木駅からも歩いて5分くらいの距離ですし、お客様や設計事務所の方などが来社しやすい場所であることが決め手になりました。代々木といっても住宅街の中で落ち着いた雰囲気ですし、集中して仕事もしやすいですね。

 

大工の道へ進む

大工の道へ進む
桜井ハウジングは私の父が創業しました。父は大工の親方のもとで修行した後、起業したのです。自宅に併設して父が大工として作業する加工場がありましたので、子供の頃はそこで父の仕事を手伝い、お駄賃をもらえるのが嬉しかったですね(笑)。今思うと、子供ですからできることは限られていましたが、ものづくりが自然と好きになりました。

子供の頃はスポーツが好きで、小学校では水泳、中学と高校ではバトミントン部に所属しました。高校はバトミントンの強豪校だったこともあり、練習はハードでしたが鍛えられました。友人や先輩にも恵まれ、楽しかった思い出が多いですね。

職業選択にあたっては、父と同様に大工の道を選びました。父から頼まれたわけではなく、自分の判断です。父の影響もありましたが、当時は住宅着工数が最も多かった時期で、住宅業界に魅力と可能性を感じたのです。

 

父の後を継いで、2代目社長となる

父の後を継いで、2代目社長となる
私が大工になった頃は、弊社も自社受注の案件が少なかったので、大手住宅会社に施工会社として登録し、その現場で大工として木工事を担当しながら技術を磨きました。初期の頃は技術や段取りなどの差からベテランの大工さんと比較して日数が多くかかりましたので、全体の工程に迷惑をかけないように遅れを取り戻すべく必死に仕事をしました。当然ですが現場監督の指摘も厳しかったので、いろいろと鍛えられましたね。わからない納まりなどは、ベテランの大工さんに教えを請いに行くなど、とにかく腕を磨くために懸命に仕事を覚えました。

その後、大手の住宅会社の規格化された木造だけではなく、他の木造も経験して学びたいと思い、別の大工の親方のもとに2年間ほど弟子入りしました。木造の世界も奥が深いので、その親方からも技術や仕事への姿勢などを学ぶことができました。

そうした経験を積んだ後、父から桜井ハウジングの社長を引き継ぎました。それまでは大工としての経験を積んでいましたが、工務店の経営者になるべく、営業や見積りなどを中心に新たに勉強を始めました。

 

設計事務所案件との出会い

設計事務所案件との出会い
自分で営業を始めて、いろいろな人や会社と会っているうちに、ある設計事務所から設計した住宅の見積りをやらないかと相談がありました。大工の先輩から、設計事務所の案件はこだわりの家が多く、大工としての仕事は手間がかかるので大変だと聞かされていました。自分としても正直抵抗はありましたが、自分がこれまで磨いてきた腕を試したいという気持ちもありましたし、会社として実績を作っていきたいという思いもありました。そこで見積りに参加することにしたのです。

見積りに参加した結果、弊社で受注することができました。今までの仕事では直接お客様と接することが少なかったのですが、元請けの工務店としてお客様や設計事務所の方と打合せをしたりすることが増えたのです。今までの仕事でも当然しっかり大工としての仕事はしていましたが、やはりお客様との距離が近くなるとやりがいも大きくなりますし、責任も強く感じました。

 

設計事務所とのパートナーシップ

設計事務所とのパートナーシップ

設計事務所との仕事は、最初はやはり大変でした(苦笑)。設計やデザインのこだわりが強く、その意図を理解してどのようにつくるかを日々考えながら仕事をしていきました。設計事務所の案件は、勉強になることもとても多かったです。図面では気づかなかった点が、現場でつくりながら気づくこともあり、設計者の発想やデザインに驚くこともありました。

設計事務所案件の実績ができたことで、徐々に他の設計事務所様からも見積り依頼をいただけるようになっていきました。設計事務所と工務店という建築のプロ同士でも、始めて仕事をする際にはお互いの相性や仕事に対する考え方をすり合わせるために、互いの努力が必要なこともあります。そうしたプロセスを得て弊社を認めていただいた数社の設計事務所様からは、リピーターとして継続的に仕事をご相談いただけるようになりました。

リピーターの設計事務所様から、次の案件のご相談をいただけることは何よりも嬉しいですね。弊社を認めていただいているということもありますし、その建主様に弊社を推薦していただいているからです。何よりの励みになります。

 

会社を大きくするつもりはありません。

会社を大きくするつもりはありません

現在の体制ですと、家の規模や内容にもよりますが、年間7棟までが目安ですね。あまり仕事を引き受けすぎても質が担保できませんし、私の目も行き届かなくなってしまいます。

私がこだわっているのは、社員として大工を抱えることです。現代の工務店は、現場監督としての役割に徹して外部の大工さん、職人さんとのネットワークをつくって運営している会社が多いのですが、技術を売りにする仕事でもありますので若い人を大工として採用し、私自らが大工の親方として彼らを指導するように心がけています。

家づくりでは、すべての部分を丁寧につくらないと、住み始めてから不具合が出てきます。人間がつくるものですので100点満点というのは正直難しいのですが、お客様とは家を引き渡して終わりではなくアフターメンテナンスで長くお付き合いしますので、とにかくご迷惑をかけないように社員一同、意識を強くして家づくりに取り組んでいます。

 

とにかく家づくりを楽しんでほしい

とにかく家づくりを楽しんでほしい

最近は弊社でも、リフォームやリノベーションの相談もいただくようになりました。特に中古マンションのリノベーションのご相談が多いですね。建物は鉄筋コンクリート造や鉄骨造でも、構造躯体を残したかたちでの改修であれば、今まで木造住宅の仕事で培った技術や経験で対応できています。

家づくりの仕事をしていて感じることは、多くのお客様にとって一生に一度の家づくりとなるわけですが、なかなか100パーセント満足することは難しいのではないかと思います。あまりにも多くのことを決めなくてはなりませんし、暮らし始めてから気づくことや家族構成の変化もあるからです。

私のつくり手としての想いは、お客様に家づくりを楽しんでほしいということに尽きますね。工務店選びもいろいろな基準はあると思いますが、見積書で示される「お金」だけではなく、会社や人で選んでほしいです。住み始めてからもメンテナンスなどで何度も顔を合わせることになりますし、自分との相性を重視して依頼先を選んでほしいですね。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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