公開日:2016.04.13 / 最終更新日:2018.11.03
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家づくりへの想いを、こだわりの技術で応える
小澤さんのエムテック創業前の話や建築家との協働の話に続き、この後編では小澤さんのつくりあげた大工さん、職人さんとのつくり手集団について話をうかがいました。
信頼され続けている会社には理由があります。エムテックは建築家が納得して依頼するからこそ、小澤さんをリーダーに情熱をもった大工さん、職人さんが丁寧さと精度で応える関係性が生まれます。
エムテックは、建築家から依頼される仕事を除くと、小澤さんが地元に長くいることもあり、友人・知人の紹介による仕事が多いという。
「少人数で会社を運営していますので、規模の大きな会社のようにお客様に対して至れり尽せりの対応はできていないかもしれません」
「そうしたことにご理解いただいた上で、すまい手とつくり手で一緒に進めていくような家づくりに興味があるお客様は、ぜひ弊社で家づくりをお手伝いさせていただきたいですね」
独自の企業哲学
エムテックは、お客様に適正価格な家づくりを提供するため、独特な企業哲学を持っている。
工務店に相談する際には、提案された設計内容はもちろんだが、工事費の見積り金額も重要な要素となる。
「あえて仕事量を限定させていただいています。仕事が増え過ぎると、社員を増やす必要があります。建築業にはどうしても受注の波がありますので、仕事が減ったときに人件費を支払うための仕事を請けざるを得ないのです」
「社員に給料払うためだけに請ける仕事はよくないと考えています。そして自社のお客様に適正な価格で良質な家づくりを提供するために、会社経費を抑える意味もあり現在の少数精鋭の体制にしています」
小澤さんは会社の代表でありながら、営業、設計、見積り、現場監督、アフターメンテナンスと「ひとり5役」をこなしている。
「チーム小澤」
「以前在籍していた会社の頃から、私が構築した大工さん、職人さんの集団が “チーム小澤”と呼ばれるようになっていきました(笑)」
「チーム小澤」の基本方針として、お施主様にとっては限られた予算の中で、意匠性と施工性をどれだけ突き詰めるかを、小澤さんを中心に大工さん、職人さんで徹底的に検証を行うそうです。
「チーム小澤」に、大工さん、職人さんが選ばれるための条件とは何だろう。
「大工さんや職人さんの技術力はもちろん重要なのですが、言葉は悪いですがものづくりに対して「変態」と言われるくらいまでに、とことんこだわる姿勢をもった人間とチームを構築しています(笑)」
「同時に、現場の人間関係も大事なので、チームワークを重んじる人が集まった集団だと思います」
現場で仕事をしている大工さん、職人さんにとっては、日々やっていることを繰り返すほうが時間も読め、仕事はやりやすいはずだ。
「建築家の仕事など一見難解な納まりなどに対して、求められている精度に情熱を持って前向きに楽しんで対応できるチームを目指しています」
「今では一般的な納まりの仕事を受けると、大工さんや職人さんにとっては刺激が少ないらしく、もっと厳しい仕事を要求してくれと冗談で私がクレームを受けることがあります(笑)」
「誰もがやらない事をやる。誰もが嫌がる事をやる。厳しさを逆に楽しむ。こんなことをテーマに取り組んでいる変わった集団ですね(笑)」
今までのお客様のなかには、工事中に現場で仕事をしている「チーム小澤」の大工さん、職人さんの写真を撮影しパネルにして、引き渡しの際にサプライズでプレゼントされたこともあったそうです。そうしたお客様からの評価が、エムテックを常に向上心にあふれるつくり手にしています。
つくり手としての本音
小澤さんにつくり手としての本音を聞いてみる。
「自分たちではこだわりとか精度とかいろいろ言っていますが、実はつくっている自分たちは技量的にもまだまだ上を目指さなくてはと思っています」
「我々のチームは、うまくないけど必死でやっていますという謙虚な姿勢は大切にしています。その家づくりに関わる全ての職方が、みんなで一生懸命に取り組むような家づくりをしていきたいと常に思っています」
「大工さん、職人さんと深い信頼関係をつくっておりますので、現場監督によるトップダウン式の指示体系をやめて、お互いに率直に意見の言い合える関係としています」
こうした体制により、エムテックは大工さんや職人さんの隙間に落ちる施工連携ミスなどをなくすようにしている。
「ものづくりは図面から読み取るものではなく、思いから読み取るものであると考えています」
図面はあくまでも伝達手法であり、大事なのはその手法の奥にある思いを汲み取るようにしているという。
お客様への想い
小澤さんに事務所内にあるお気に入りの場所に案内してもらう。
様々な工具や部品などが置いてある作業場だ。小澤さんはここでいろいろなものをつくるのが楽しいらしい。
小澤さんにお客様に対する姿勢について聞いてみる。
「こだわりをもったお客様に、こだわりの技術で応えたいと思っています」
「お客様との相性も大切だと思っていまして、お互いに共感できるようなものがある人との家づくりを大切にしていきたいです」
「スポーツと一緒で、家づくりも最後は「個の勝負」だと思っています」
「お施主様のイメージをあくまでも尊重しますが、自社で設計・施工を担う場合にはシンプルでモダンなテイストを目指しています」
お客様と家のつくり手は、家を建ててからもアフターメンテナンスやリフォームの相談など長い付き合いとなります。
エムテックは、自分の家を「熱い気持ちで一生懸命につくってくれる」つくり手に依頼したい人には最適な会社です。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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