家づくりはお金に変えることを考える!資産価値の高い住宅を活用する方法とは?
高度成長期に考えられた「住宅すごろく」は、一戸建ての住宅の購入がゴールでした。人生100年時代を迎えた現代においては、住宅を購入することの意味が大きく変化しています。価値観の多様化、全体的な長寿命化など「自分の生き方」に合わせて、適切な住宅を選択することが必要不可欠になっています。このコラムでは資産価値の高い住宅を所有することで、いざという時に所有する住宅を貸したり、売却できるようにしておき、高い安心感を持てる家づくりについて解説します。
ライフステージに応じて適切な住宅を選ぶ時代に
「住宅すごろく」では、住宅の購入は人生最大の買い物でもあり、豊かさの象徴でもありました。しかしながら日本の経済は高度成長期を終えて成熟期を迎え、年功序列や終身雇用といった人事制度も崩壊し、賃金体系は大きく変わりつつあります。
これからは土地の値上がりも期待できませんし、高齢化が進む中、人口減少によって現役世代は減る一方の時代を迎えています。長寿化に伴い、定年後の生活も長くなり、これまでとは人生設計も大きく変わらざるを得ない状態になっています。
これからの家づくりでは、社会の変化に応じて「住宅をモノではなく、居住サービスとして考える」視点が必要だと考えます。
子供の独立、親の介護、定年などライフステージに応じて、同じ住宅に住み続けるのではなく、状況の変化に応じて都合の良い住宅へ住み替えていく考え方が重要になります。
長寿命化により住宅は借りるよりも買ったほうが有利にできる方法がある
ライフステージに応じて都合の良い住宅へ住み替えていく場合には、「住宅の購入は不要」という判断もありますが、発想を転換すると「資産価値の高い住宅を取得し、その住宅をストック(賃貸や売却)として活用する」ことが有利になるという考え方もあります。
戦後日本人の寿命は20年近く延びました。住宅を借りる場合には、それ相応の家賃がかかります。それに対して住宅の購入は、ある意味では生涯分の家賃の一括払いです。住宅の購入価格はあまり変動がありませんので、長生きすればするほど、住居費を抑えられることになります。
購入した住宅を、賃貸や売却など何らかの形でお金に換えることで、残りの居住を維持することができます。現在は、住宅ローン金利が極めて低い環境ですので、より借りるより購入したほうが有利という判断も生まれます。
資産価値の高い住宅を活用した人生設計を
所有する住宅を貸したり、売ったりするとお金が得られますので、様々な住み替えが検討できます。資産価値の高い住宅を取得することで、人生に大きな安心を得られることになるのです。
所有する住宅を賃貸として活用する場合に、中古住宅を貸りる人が現れないと、空き家になってしまうなど安定収入が得られるとは限りませんので注意が必要です。
そこで住宅の購入時にあらかじめストックとしての活用を組み込んで、後々の安心を考えながらの家づくりが必須となります。その必要条件となるのが資産価値の高い住宅の購入であり、それをベースにしたファイナンスの仕組みです。
一般的に利用できるサービスとしては、一般社団法人移住・住み替え支援機構(JTI)が提供する「マイホーム借上げ制度」があります。JTIが求める性能や基準をクリアした新築住宅であれば、近隣相場に応じた最低家賃が保証(上限金額は有り)されますので、空室リスクを減らすことができる仕組みです。
まとめ
住宅の購入は、簡単なことではありませんし、住宅ローンを返済し続ける苦労は大きいです。それでも住宅は老後の安心を含め、購入すべき資産性や豊かな生活を送れる優位性があります。
これからの家づくりでは、大手ハウスメーカーだけではなく設計事務所や工務店においても、お客様の定年後の残債にまで踏み込んでファイナンスの提案を行い、お客様により安心できる住宅を提供することが求められています。
一人ひとりの生き方を考えた家づくりが求められています。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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