公開日:2018.06.15 / 最終更新日:2018.06.17
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低金利時代に住宅ローンはどう借りるべきか
家づくりの仕事をしていて一番難しいことは、「住宅ローン」だと思っています。
なぜなら「正解」がないからです。
それぞれのお客様の属性やライフプラン、将来の金利動向などによって左右されます。
多くの人にとって「人生最大の借金」となる住宅ローン。
空前の低金利や共働き世帯の増加といった要素もあります。
社会や働き方が昔と一変し、金利や年金を含む社会保障などの先行きも不透明な中で、住宅ローンを選択することは難しいですよね。
住宅ローンを考える上で、私が個人的に思っているポイントは下記になります。
- 老後に備えて、住宅ローンを65歳までに払い終えること
- 60歳時点での住宅ローン残高を意識して決める
- 税制改革の影響による年収に対する「手取り額の減少」をふまえて借入額を決める
そして、住宅ローンを考える上で最も判断が難しいのが「金利」の読みです。
住宅ローンの資産では、固定金利で設定すれば「総支払額」を確定することはできますが、変動金利では確定できません。
昨今の金利環境の中では「変動金利」で住宅ローンを組む人も少なくありません。
ただ注意したいことは、銀行の変動金利型は期間1年より短い金利を指す「短期金利」に連動する中、固定金利型の指標となる「長期金利」(10年物国債利回り)の方が先行して上がるセオリーがある点です。
金利の低い変動金利型で借り、金利が上がれば固定金利型への切り替えを考える人もいると思いますが、変動金利が上がるころには固定金利の方が先に高くなり、切り替えが難しい可能性もあります。
低金利が続く中で、不動産会社や住宅会社の販売員は気勢を上げていますが、借りる側は多額の負債を背負うことになるだけに、将来の計画を慎重に見定める必要があります。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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