公開日:2019.02.23
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マンションの厳し過ぎる現実
マンションを待ち受ける厳しい数字
2018年のマンション統計が発表されました。
販売戸数は増えましたが、厳しい先行きを暗示する数字が並びます。
人口減少で管理が行き届かないマンションが増えることは確実です。
日本の住宅着工戸数は年間で約94万戸(2018年)ある一方、5年前の統計で820万戸の空き家が確認されています。
地方で倒壊の危険がある戸建てが増えただけでなく、「限界マンション」という言葉もすっかり定着しました。
管理組合が消滅していたりする物件が次々にメディアに紹介されているのに、こんなに新築マンションを造っていることは大問題です。
住宅政策の見直しは必須です。
マンション販売の二極化は著しく、将来は管理が行き届かないリスクも
首都圏のマンション販売も、バブル崩壊後に次ぐ低水準となっています。
販売の二極化は厳しく、駅から近くランドマークの要素があるマンションに人気が集中する反面、駅徒歩 10分を超えると多くのマンションが販売を苦戦を強いられています。
今のままマンションが増え続けると、都心や駅近の人気の地区を除いて、居住者が減ることにより管理が行き届かなくなります。
東京都では、組合や管理規約の有無を提出させ、届出がなければ指導したり、マンション管理士が運営の相談に乗ったりする条例案を検討しています。
行政が乗り出すほかないほどに、築年数の古いマンションの管理問題は切実になっています。
タワーマンションの持続性に不安も
次々に建設されているタワーマンションも持続性という観点では不安が大きいです。
まず、コストを抑えながら外壁や設備の大規模修繕をし続けられるのかどうかです。
さらに難しい将来の建て替えも、中高層のマンションと比較して、合意形成が難しく、ハードルが高いことが予想されます。
販売側が修繕積立金を少なく設定する販売優先のマンションも多いようです。
日本も中古住宅市場を本格的に作る時代に
日本は景気対策として減税を絡めながら住宅の新築を促してきました。その経済波及効果は逓減していきます。
住宅の総量を管理し、既存の住宅がどのくらい解体されるかの見通しに応じて、行政が新築住宅を認めていく考え方もあります。
新築住宅が増えなくなると、結果として中古住宅の活用が始まります。
中古住宅市場が活発になり資産効果が高まれば、持ち家取得が可処分所得を圧迫して個人消費を抑え込むという日本経済の構造的な弱点を解消することにも繋がります。
中古住宅が適正に評価される市場を整えて、住宅取得の選択肢を増やす制度を備えるべき時期を迎えています。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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