公開日:2019.11.16 / 最終更新日:2019.11.18
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住まいの耐久性大百科事典出版記念セミナーに参加
住まいの耐久性大百科事典出版記念セミナーに参加
住まいの耐久性大百科事典出版記念セミナーに参加しました。
主催は「一般社団法人 住まいの屋根換気壁通気研究会」です。
株式会社ハウゼコ様が事務局として運営されています。
住宅金融支援機構のデータによると、
一般ユーザーへのアンケートで「建物の性能で重視していること」は、
1位 高耐久性
2位 耐震性
3位 省エネルギー性
という結果です。
高い耐久性は差別化の武器になるという事実です。
耐久性に強い住宅実務者は本当に限られています。
加えて、風害対策です。
「みんなの住宅研究所」という取り組みもあり、3つの柱を軸に活動されています。
・耐震 耐震等級3
・温熱 G2レベル
・耐久性
本セミナーはスライドの撮影は禁止でしたので、ポイントをテキストでお伝えします。
近畿大学の岩前教授の講演「小屋裏通気の課題」
・ウィーンは世界一のスマートシティー
・建築とは常にタブーとの戦い
・住宅のライフサイクルコストは全体の26パーセント
・日本の一人当たりの住宅投資金額はドイツの約半分
・日本の住宅レベルはまだまだ上げる必要がある
・住宅の耐久性
→水分のコントロール
・通気の必要性
→通気のリスクを上回る
・天井裏結露の考察
→軽い水蒸気は上にたまる
・高耐久住宅における通気の見直し
→小屋裏換気量の適正量を知るべき
住まいの耐久性大百科事典出版記念セミナーのトークセッション
冒頭に東海大学名誉教授の石川先生より、
「住まいの耐久性 大百科事典I」
の概要について説明がありました。
<「住まいの耐久性 大百科事典I」の本の構成>
・そもそもを知る
・長持ち住宅のデザインを考える
・法規との関連
・木造住宅の基礎知識
・健康と快適
・省エネと断熱
・結露の対策
・耐久性の重要ポイント
・木造住宅の耐久性向上の取り組み
・小屋裏換気
・住宅外装
印象的なポイントは下記です。
・海外には「外皮」の専門家が存在する
→意匠、構造、設備、温熱以外に
・木造の耐久性について誰も教えていない
→学校で教えず、実務の中でも教えてもらえない
・日本は台風列島
・小屋裏換気
→屋根形状の変化が大きい
・最近の住宅トレンド
片流れ
鋼板屋根
ルーフバルコニー
軒の出
屋根断熱
→劣化事例発生確率が高い納まりが多い
・耐久性について配慮されている住宅は本当に少ない
・木造住宅の紛争処理において「軒の出」が少ない建物に問題が起こることが本当に多い
・近年の住宅のトレンド
キューブ型住宅
金属屋根
屋根断熱、勾配天井
高気密高断熱住宅
モルタル外壁
軒の出の少ない住宅
・欧米は社会資本財、日本は私財。
耐久性向上に関する実務者向けのチェックポイントを設けることでレベルアップと意識の啓発ができるのではないかという提言もありました。
住まいの耐久性大百科事典Ⅱが、再来年に発行されるそうです。
住宅の大問題である耐久性の重要性を強く認識でき、とても勉強することができたセミナーでした。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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