建築家選び8つのポイント①作風・テイストは?
日本に数千人いる建築家。その中からあなたにぴったりの「たった一人」を選ぶには? 失敗したくない建築家選びのエッセンスを伝える初回は、「作風」についてです。
建築家選び8つのポイント
日本に建築家はどのくらいいるでしょう?
なんと、公益社団法人日本建築家協会の会員だけでもざっと4,000人余り(平成28年3月現在)。
建築家との家づくりに興味があっても、これでは誰に頼めばよいのか迷ってしまいますね。
私は約20年建築・住宅業界に身を置き、この10年は建材メーカーの「設計事務所への営業担当」として、2,000人を超える建築士の方々と会ってきました。
そこで気づいたのが、良い家を作る建築家、依頼が絶えない建築家がもつ共通項です。
その共通項を「建築家選び8つのポイント」全8回で紹介していきます。
お話しする8つのチェックポイントは下記の通り。
これを押さえればあなたに合った建築家が見極められるでしょう。
- 作風・テイストは?
- 発信している情報は?
- 経験値は?
- 人柄に共感できるか?
- 元施主が紹介しているか?
- 信頼できる工務店が存在するか?
- 本音でお金の話ができるか?
- 建築家の自邸はどんな家か?
【ポイント1】作風・テイストは?
その建築家が実際に建てた家を一気に見ると、共通する雰囲気が感じられてくると思います。
それが「作風」「テイスト」とよばれるものです。
言葉で表現すると、例えば温かみのある「ウォーム系」か、シャープな「クール系」か。ほかにも「ナチュラル」「モダン」「ウッディ」「エレガント」「アジアのリゾートみたいな」といったワードも思いつくかもしれませんね。
中には統一された作風がない建築家がいます。
「お客様の要望や与条件が最優先」という、いわばオールマイティさを売りにする方、独創性を求められる「アーティスト」として、テイストを限定したくない方など。
しかし、家は「すまい手のためのもの」。
そもそも要望を漏らさずヒアリングするのは設計の大前提。
私が出会った良い建築家はそれを踏まえた上で、さらに良い提案をしていました。
お客さんの具体的な要望でも、敷地全体、家全体、暮らし全体のバランスから見てさらに良い解があればそれを提案するのがプロ。
つまり建築事例=要望に対して建築家が出した最高の解、そのものなのです。
それがお客様ごとに全く違うなんてことはあり得るでしょうか。
「良い建築家には統一した作風がある!」これが私が見つけた「売れっ子建築家共通項」の1つ目です。
【方法】「建築家のウェブサイト」「住宅誌」をチェックし、切り抜きまくる!
建築家の作風チェックで手っ取り早いのがウェブサイトです。
個別の建築家サイトを見るのもいいですが、初期段階では住宅関連のまとめサイトを利用するのがスピーディーです。
紙媒体の雑誌も、その場でスクラップできるので便利。
気に入った事例を切り取り、ノートにとにかく貼りまくってください。「自分の好きな作風」が見えてきます。
家づくり後半でインテリアを考える時にも役立つ、何かと便利なノートになります。
まとめ
私が5年前に自分の家を建てた時のこと。
妻の好みを知りたくて、住宅誌を20冊渡し「こんな家に住んでみたい」写真に付箋を付けてもらいました。
なんと妻が選んだ写真の7割以上が、ある建築家の手掛けたものでした。
ここまでわかりやすくなることも稀ではありません。数千人からの候補選びがより簡単になるのです。
次回はポイント2「発信している情報は?」。建築家が発する情報の考え方についてお伝えします。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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