公開日:2020.04.01
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いよいよ民法改正!工務店や設計事務所が抱える重大リスク
知らないでは済まされない民法改正!2020年4月1日に施行
本日(記事執筆日)より、民法が改正されます。
これまでも繰り返し、この法改正について情報発信をさせていただきました。
当社では住宅実務に詳しい弁護士の先生をお招きして、「民法改正セミナー」も開催しました。
当社のクライアントである住宅会社様には、住宅実務に詳しい弁護士の先生を紹介して、以下のような業務に関して個別のコンサルティング等の案内、サポートもさせていただきました。(当社の本来のビジネスではありません。あくまでも任意です)
・民法改正に対応できる契約書や約款の見直し
・民法改正に関しての経営者・社員の皆様向けの法改正レクチャー
・その他の関連する業務
専門家によるセミナーの開催や個別コンサルティングを行なった理由は、
この法改正による住宅会社が抱えるリスクがとても大きいからです。
筆者が問題視しているのは「住宅会社」のほとんどが法改正の対応をしていない事実です。
施主と揉めるとかなり不利な状況になるので「備え」は必要だと注意喚起をさせていただきました。
現在は、新型コロナウィルスの問題が大きな影響をもたらしておりますが、
この「民法改正」による住宅会社の経営リスク(今までより増えるトラブル、クレーム、訴訟、廃業、倒産等)に対して、
筆者は猛烈に危機感を感じています。
民法改正で工務店や設計事務所が抱える重大なリスク
法改正が決定してから、施行日を迎えるまでに3年以上の時間はありました。
準備をする時間はありました。
約款の変更がギリギリになるという珍事?もありましたが、それでも方法はありました。
しかし、万全な対応ができた住宅会社(特に工務店、設計事務所)はあまり無いようです。
→あくまでも私見です。が、この件について話題や対応しているという会社はほとんどありませんでした・・・。
法律は知っている人のみ味方になります。
住宅・建築実務者が気をつけたいことは「できない約束はしない」ことに尽きます。
コスト、工期、品質などをきちんと言い切れるかがポイントです。
「良かれと思ってやったこと」がその通りにならないと、施主と揉めたときに今まで以上に「責任を追求される」覚悟が必要になると思われます。
「改正民法により、契約の概念が大きく変わる」と予想されています。
ハウス・ベースが民法改正で懸念している大きな問題
筆者が個人的に懸念していることは、
一部の悪質なすまい手(つくり手への敬意を著しく欠く人、何らかの理由でそのように変化してしまった人など)が、
優良なつくり手(勉強熱心で知見も高く、実力、実績のある優秀な工務店など)を、
何らかの些細な設計・施工の不備などを理由に、改正民法を盾にした訴訟などにより、つくり手を追い詰めることです。
(つくり手側に問題がある場合は論外ですが・・・。)
優良なつくり手でも、このようなことが起きれば、精神的にも疲弊します。
経営リスクにもなり、最悪の場合は、倒産や廃業もありえます。
ただでさえ、事業承継が難しい事業分野であることに加えて、
仕事のやりがいや誇りを奪われるようなことが続くと、
自ら廃業を選択する経営者も増えると思われます。
こうなってしまうと、住宅業界全体の負のスパイラルにつながります。
「改正民法により、契約の概念が大きく変わる」とまずは認識すべきです。
民法改正に関して「HB PRESS」で発信した記事まとめ
・家づくりは消費者保護が大前提になる!2020年に予定される民法改正の衝撃
・改正民法の衝撃!住宅会社の建築工事請負契約書、約款の見直しが必須に
・建築実務セミナー 「設計事務所のための改正民法徹底解説」に参加
・4月改正なのに3月に新約款公布?住宅業界の民法改正対応が大混乱の恐れ!
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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