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公開日:2016.07.15  /  最終更新日:2018.11.03

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創業者の想いを大切にした家づくり

埼玉県さいたま市に本社を持ち、主に埼玉や東京で家づくりを行っている「株式会社ニート」。技術者出身の創業社長の理念のもと、実力・実績がともなう関連会社や大工さん、職人さんとの協力関係を軸に家づくりを行っている工務店です。代表取締役の野崎真治(のざき・しんじ)氏にニートが手がける家づくりの話を聞きました。

会社名に込められた想い

社名のニート(neat)という言葉には、「きちんとした、小ぎれいな、清潔な、端正な」と、「手際のよい、器用な、あざやかな、みごとな」という意味があります。この言葉に示される技術力や丁寧な仕事をモットーに、住宅・建築工事の仕事をしています。ニートは現在、相談役をつとめる久保田香二さんが創業しました。久保田さんは熊本県出身で、創業前は埼玉県内の建設会社で現場監督として働いていました。

談笑風景

私に就職先選びの決定権はありませんでした(笑)

私は熊本県の出身です。高校を卒業するまで熊本にいました。両親と3人兄弟の5人家族で私は長男です。子供の頃は活発な男の子だったと思います。高校進学にあたっては、工業高校の建築科を選びました。正直に言うと、どうしても建築の道に進みたいというよりは、工業高校の募集枠との関係性で入りやすかったのが建築科だったのです(笑)。高校ではハンドボール部にも所属しました。友人や先輩にも恵まれ、楽しかった思い出が多いですね。

高校時代の先生の昔の教え子の中に、ニートの創業者である久保田さんがいたのです。その先生に卒業後の就職先を相談した際に、久保田さんが働いている埼玉の建設会社を強く勧められまして。後でわかったことですが、先生と久保田さんは卒業後も交流があったようで、自分の会社に卒業生を紹介してほしいと頼んでいたようです。

実は他に気になっている会社もあったのですが、その先生にはとてもお世話になっていましたので、就職先選びの決定権は自分にはありませんでした(笑)。結局久保田さんが在籍する会社の採用試験を受け、入社することになりました。私と久保田さんの運命を感じますね。

 

創業者に誘われてニートに入社する

ニート外観

建設会社に入社後、久保田さんや他の先輩から仕事のイロハを教えてもらいました。久保田さんとは年齢も20歳以上離れていますし、最初は怖い上司でしたが、現場監督の仕事を厳しく指導していただいたことは、今の自分の財産となっています。

久保田さんと同じ会社で4年間仕事をした後、別の建設会社でも修行しようと考えて転職しました。その建設会社で4年ほど働いていたのですが、その会社が倒産してしまいました。次の仕事をどうするかと考えていた時に、すでにニートを創業していた久保田さんから一緒に仕事をしないかと声をかけていただき、お世話になることに決めました。

再度、久保田さんと共に仕事をすることになりました。今度は工務店経営者と現場監督という関係になり、更に厳しい指導を受けることになりました(苦笑)。今度は私も実務経験を積んだ上での入社でしたので、指導を受けつつも自分の仕事の方法を確立し、徐々に仕事を任せてもらえるようになりました。

注文住宅は年間6棟まで

注文住宅は年間6棟まで

ニートで現場監督としての経験を積んだ後、久保田さんからニートの社長を引き継ぎました。久保田さんはなるべく良いかたちでの社長交代を強く意識していましたので、社長退任後も会長として私を指導していただき、現在は相談役を務めていただいています。

弊社は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造も得意としている会社です。この点が木造をメインとしている他の工務店と違う点かもしれません。創業者の久保田さんも私も建設会社で実務経験を積みましたので、大きな建物をつくることも経験しています。工法に関わらず、建物において重要なのは構造ですから、木造においても耐震性の高い金物工法を早く導入するなど、技術に対しては特にこだわりを持っています。

弊社の仕事は、設計事務所様から依頼される木造の注文住宅等の新築工事が半分、お付き合いのある病院や店舗などの改修工事等が半分といった割合です。設計事務所様の案件では、こだわりのデザインや精度が求められる納まりもありますので、手がけられる棟数は決まっています。弊社の場合ですと、年間で5〜6棟程度です。

ニートの強み

大宮区の家(外観)弊社の強みとしては、実力・実績がともなう関連会社や大工さん、職人さんとの協力関係だと思います。関連会社とは、電気設備や衛生設備の仕事を専門とする会社などです。創業者の久保田さんが社長の時代から、実際の仕事を通じて、信頼して任せられる会社を選んできました。弊社がお付き合いしている会社は、大手建設会社の登録業者として仕事をしている会社が半数以上です。

良い会社の定義というのはいろいろあると思うのですが、私が考える良い会社とは「技術力プラス前向きな姿勢」という会社だと考えています。建築の現場では、様々なことを臨機応変に考えて決めていく必要があります。実際の仕事の際に、つくる側からすると「めんどうなことや手間がかかること」などは敬遠したくなるのが人間の心理です。そうした理由で「この仕事はできない、つくれない」といった回答をする会社も少なくないのです。でも優秀な会社はできない理由を語るのではなく、「こうすればできる、こうすればきれいにつくれる」など前向きな提案や態度を示してくれるのです。住宅の場合、大規模の建築現場のように常に現場にいることは現実的にできませんので、こうした信頼できる会社との協力関係が強みと考えています。

家の見積りについて

北区の家(外観)家の金額は、「使う建材等の価格」「大工さん、職人さんなどつくる人へ支払う金額」「会社経費」の合計で決まります。「モノ」の価格は、お客様の要望や設計者の意図に基づき図面で決められていますが、工務店によってメーカー等から仕入れる価格は住宅規模ですとほとんど差はないと思います。

「ヒト」に支払う金額については、大工さんや職人さん、関連会社によって差があります。弊社では信頼して任せられる会社に対して、常に同じ単価、手間代で仕事を発注しています。実力のある人、会社と良好で継続的な関係を続けるために、一定の金額で支払うようにしています。建設会社の中には業者に対して仕事ごとに発注金額を交渉して執拗な値引きを要求する会社もありますが、こうしたことを続けていると優秀な大工さん、職人さん、関連会社は付き合ってくれなくなるのです。お互いに緊張感は持ちつつ、納得して仕事に取り組んでもらえるようにしています。

会社経費については、経営方針として無駄なお金を使わないことを徹底しています。その結果、会社経費を抑えられ、お客様への提示する見積り金額も抑えることができていると思います。

設計事務所との関係

設計事務所との関係

新規の設計事務所様からの見積り依頼もありますが、付き合いのある設計事務所様からは継続的に相談があります。リピーターの設計事務所様から、次の案件のご相談をいただけることは嬉しいですね。弊社を認めていただいているということもありますし、その建主様に弊社を推薦していただいているからです。何よりの励みになります。

弊社の施工エリアから離れている東京の現場にも、設計事務所からの推薦というかたちで施工会社に選定していただき、工事を担当することもあります。最近は弊社でも、リフォームやリノベーションの相談もいただくようになりました。特に中古マンションのリノベーションのご相談が多いですね。改修の仕事のほうが新築よりも難しいことも多いのですが、今までの仕事で培った技術や経験で対応するようにしています。

弊社で施工を担当した家のお客様から、引き渡し後に食事などにお誘いいただくこともあります。家づくりのプロセスを思い出しながら、お客様や設計事務所の方と一緒にお酒を飲んだりするのは最高に楽しいですね。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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