公開日:2018.07.24
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宿泊施設の建設は5年前に比べて8倍に増えて建設額1兆円超え
先週末の日経新聞の中に、暗い話題が先行しがちな建設業界に置いて、急激に建設額が伸びている用途があるという記事がありました。
それは、ホテルや旅館など「宿泊施設」です。
「宿泊施設」の建設額は2017年度に初めて1兆円を超えたそうです。
国土交通省の建築着工統計のデータを再集計した結果、2017年度の宿泊施設建設工事額は1兆529億円とのことです。
凄い市場が登場しました・・・。
国内外の観光客による宿泊需要拡大を受け、5年前に比べ8倍に増えたそうです。
記事の内容を地域別にまとめ直すと、下記となります。
・首都圏は、地域別で工事額が最も多く、2012年度の10倍となる3711億円と全国の35%を占めている。(確かに街を歩くと、ホテルや旅館の現場が増えている気がします)
- 伸び率が最も高かった北陸は211億円で、なんと伸び率は84倍!金沢まで開業した北陸新幹線が追い風となり、金沢市内を中心に建設が相次いでいるそうです。老舗旅館や名門ブランドホテルも金沢駅前に進出し、いずれも訪日客を狙った高級タイプのようです。(北陸には良い観光地が多いから納得ですが、伸び率がすごいですね・・・)
- 北海道は670億円で、伸び率は45倍で2番目に高いです。北海道新幹線開業を受け、函館市内でホテルの新増設が相次いでいます。訪日客に人気のニセコ地区も投資が活発です。(これも経済ニュースではよく見ますね)
- 関西は2862億円と伸び率は20倍です。建設規模が首都圏に迫る勢いで、特にここ3年で急激に増えており、全国での割合も27%と3年前に比べ2倍となっています。高級ホテルの建設が目立っています。(関西エリアのホテル不足は以前から指摘されていましたね)
- 東北は東日本大震災後に被災施設の再建や復興事業の従事者向けに相次ぎ建設された反動などで、12年度に比べ3割減った。(想像より減っていますね・・・)
- 北関東や東海は宿泊する訪日客が他地域に比べ少ないこともあり、建設が伸び悩んでいます。(東海が伸びてないのは意外な結果。北関東の群馬、栃木、茨城も魅力あるところあるけど、アピール不足かも・・・)
訪日外国人の方が増えていることで、人口減少の日本で建設需要が伸びる分野があることは、ありがたいことではあります。
ただ、既存の民泊利用や、今後空き家の民泊活用などの問題もありますので、それぞれの分野でより知恵が求められます。
これから建設業界は仕事が減る時代などと言われておりますが、アンテナを貼って、自分を変える意識を持って、実際に行動を起こせば、まだまだ活躍できる分野があるということですね。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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