公開日:2019.03.19
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都内で急増する狭小な建売住宅に潜むリスク
ローコストで提供される狭小な建売住宅の問題点
新築マンションの価格高騰が続く中、驚くような低価格の新築の建売住宅が人気を集めているようです。
東京では、戸建住宅もマンションと同様に価格の高騰と、敷地の狭小化が進んでいます。
敷地が極端に狭いと、施工の面でも課題が増えます。狭い敷地に面する道路は狭いことが多く、トラックが入れないことや、作業用の車が止められないなどの問題が生じます。とにかく施工に手間がかかります。
ローコストな建売住宅では、施工後の品質にばらつきが多く、安心して購入することは難しい状況です。
ローコストを売りにする施工会社では、施工のコストを抑えるための方針として、現場監督が数多くの現場を担当するようになります。
その結果、基礎や構造躯体などの施工精度や、電気配線や上下水道の配管など、完成すると見えなくなるところの施工管理がおざなりになります。
メンテナンスや点検などに配慮した設計・施工が行われていない事実もあります。
低品質な住宅は、国の住宅施策と逆行している
国が長期優良住宅制度やリフォームの支援制度を通じて、住宅性能の向上や長寿化を進める中で、増加する狭小の建売住宅は時代の流れに逆行しています。
住宅の品質やアフターサービスなどに不安が残ることは事実です。
低価格の裏側に多くのリスクが存在するからです。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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