公開日:2018.12.12
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CLTフォーラム2018に参加
CLTフォーラム2018に参加しました
CLTフォーラム2018に参加しました。
CLTとは、クロス・ラミネイテッド・ティンバーの略です。
日本では2016年4月にCLTに関する建築基準関連告示が施行されて、一般的な利用が開始されました。
このフォーラムでは、CLTを使った建築物について欧州の事例を学ぶと共に、建築家同士のディスカッションを通じて日本での議論を深め、CLT建築普及のために機会としたいそうです。
関係者の方の挨拶によると、CLTを用いた建築が約180件、計画中の物を含めると300件を超えるそうです。
建築家:アンッシ・ラッシラさん(OOPEAA代表)の講演
まずはフィンランドの建築家、アンッシ・ラッシラさん(OOPEAA代表)の講演です。
アンッシ・ラッシラさんは、カマサキ教会により国際的な注目を浴び、伝統的な構法を用いた彫塑的な造形と、革新的な技術とを融合させた建築をテーマとされています。
CLT建築にも積極的に取り組み、8階建て集合住宅にCLTモジュラーユニットを用いる試みもされています。
CLTを活用すると、70戸の集合住宅を6ヶ月で施工することが可能だそうです。
入居した人へのアンケート結果も興味深かったです。
部屋を選んだ理由に、立地、家賃に続いて「木造」であることに魅力を感じて、部屋を借りたということでした。
魅力的な複合施設のプロジェクト、サウナの建築なども見せていただきました。
設計のコンセプトは、常にローカルの文脈を考えて提案することとのことでした。
構造家:金田充弘さんの講演
次に構造家の金田充弘さんの講演です。
金田さんは、ロンドンから世界展開するエンジニアコンサルティング事務所の「Arup」に所属されている著名な構造家です。東京芸術大学の建築科で准教授もされています。
「自動車業界の100年以上前からとても変わりましたが、木造の世界は100年以上前からあまり変わっていない」というメッセージが印象的でした。
オーストラリアの大学の事例です。
材料はオーストリアから搬入したそうです。運搬費を含めてもその方が安かったとのことです。
BIMも活用されています。特に設備計画を早めに行わないと、設備の貫通部分が確定しないため構造設計が決められなくなり、木を現しにする設計は難しくなります。
大きな屋根パネルは、約20mの長さがあるので夜中に運び、施工されたそうです。
木造の設計ではコラボレーションがとても重要とのことです。
木造は構造を見せたがる傾向があるが、素材原理主義からの卒業が必要とのことです。
パネルディスカッション
最後に講演者を含めたパネルディスカッションです。
まずは高知県のCLTの実績報告がありました。
木造建築が、建築専門家の「好き嫌い」ではなく、一般の方に評価されるものにしていきたいという意見には共感しました。
コラボレーションの方法、構法や構造を決める方法についての話もありました。
木造建築においても、構造以上に温熱環境の方が発注者の意識が高まっているという話もありました。
木造業界の抱える課題として、材料調達などに課題が多く、発注者や設計者などの川上の人と、材料を供給する川下の会社をつなぐ、コーディネートのような役割も求められているということでした。
Arupでは関係者の合意形成のために、「SPeAR」と呼ばれる社会、経済、環境、資源のダイアグラムがあり、4項目のバランスを常に考えながら、そのプロジェクトによる優先すべき目標を決めていくという話が印象的でした。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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