公開日:2020.02.18
13406
住宅業界におけるコロナウィルスの影響は工期遅延と経営破綻リスク
家づくりのコロナウィルスの影響1:納期遅延
住宅業界でもコロナウィルスの影響がとても大きくなりそうです。
まずは、大手の建材会社やメーカーから、
工場や流通などの状況により、
建材や住宅設備の納期が遅れる情報が、
工務店などの住宅会社に連絡が入っています。
今までも、大地震、豪雨などで、建材・部品供給ができなくなり、納期に影響が出ることはありました。
今回のコロナウィルスも、そのレベルで、社会的影響が出る事態だということだと思われます。
おそらく、他の現場に関わる部品(部材)も同様に遅延、納期未定と事態は進むかもしれません。
家づくりのコロナウィルスの影響2:工期遅延による経営破綻
建材や住宅設備の納期が遅れるということは、
「工期遅延」(引き渡しの遅れ)
となります。
施主側にとっても、引越しが遅れることの損害が発生します。
補助金を受領する予定の人にとっても、国が緩和措置を取らない限り、
恩恵を受けることができないこともあるかもしれません。
最も警戒しなければならないのは「住宅会社の経営破綻」です。
工務店などの住宅会社は、工事金額を工事の「出来高」に応じて数回に分けて、施主からお金をもらう仕組みです。
工事が遅れるということは、
予定していた入金が遅れることを意味しますので、
資金繰りが急速に悪化します。
(内部留保が潤沢な会社は、ごく一部です)
金融機関の支援や、建材会社・メーカーの特別な対応がないと、
経営がもともと厳しい住宅会社だけではなく、
受注が堅調で多くの現場が進行している住宅会社においても、
黒字倒産などの「経営破綻リスク」が一気に高まります。
まとめ
今回最も悩ましいのが、
コロナウィルスの治療法が確立されていないということで、
「いつまでに事態が収束するのかわからない」ことです。
今、住宅会社ができることは、施主に情報を冷静に正しく共有して、
事態の好転を願いながら、できる限りの対応をすることです。
このような時に、社会の状況を冷静に判断せずに、
「なんとかしろ!」
と暴れる住宅実務者が出ないことを切に願っております。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
最新記事 by HOUSEBASE 代表取締役 植村将志 (全て見る)
- 4号建築物も構造図書の保存義務化へ - 2020年1月10日
- 耐震等級の徹底解説!住宅性能表示の構造の安定とは? - 2019年7月29日
- 住宅のリフォームは「健康性能の強化」が必須な理由 - 2019年6月15日
- 工務店は「事業承継できるかどうか」で選ぶ時代に - 2019年5月20日
- 省エネルギー住宅の「全館空調」はエアコンのみで実現できる - 2019年5月19日