公開日:2018.06.25
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住宅購入で一番怖いことは「離婚」するリスク
住宅を購入すると決断すると、いろいろな不安が頭をよぎります。
職を失ったら、給料が下がったら、金利が上昇したら、病気になったら・・・とさまざまなリスクが思い浮かびます。
しかし、いちばん怖いのは、なんといっても「離婚」するリスクです。
特に、夫婦で共有名義にしている場合は複雑になります。
家づくりの相談を受けていると、「夫婦や家族の関係は永遠に続く」という前提でライフプランを考えたりしますが、「離婚」は全てをリセットすることになる恐ろしい事態です・・・。
<ケース1:夫婦の一方が住み続けるケース>
「子供の学校を変えたくない」「生活の基盤となる住まいは確保しておきたい」などの理由により、妻子はそのまま住み続けて、住宅ローン返済は夫が継続という方法はよく検討されます。
けれども実際には、夫が自分の住まいや新生活にかけるお金とのバランスを考え、妻子の住む家の住宅ローン返済が滞るケースが散見されます。
そうなると、金融機関は任意売却や競売を進めてきますので、妻子がその家に住み続けることは難しくなります。
その住まいに住み続けたいのであれば、名義を夫から妻に変え、ローン返済も妻自身が担うことが確実です。ただし、登記簿上の名義を変更することは譲渡所得税の対象となる場合もありますので注意が必要です。
また、収入を合算して夫婦で住宅ローンを組んでいたとしても、どちらか一人にローン名義をまとめることは、その人にそれだけの借り入れ能力がないとできない話です。そのため、金融機関に断られるケースも少なくありません。
住宅ローンの借り換えができない場合は、離婚前の段階で共有財産を第三者に売却するという方法が現実的で、多くの人がこの方法を選んでいるようです。
<ケース2:売却するケース>
今の住まいに妻子が住み続けるという選択にこだわらず、売却を選択すれば、後々の住宅ローンのトラブルがなくなります。
ただし、売却額が住宅ローン残高を上回れば、手元に残った現金を夫婦で分ければOKですが、もしも売却額が住宅ローン残高より少ない見込みの場合は、担保割れなので売却は難しくなります。
売却できたとしても、債務も分ける必要がありますので泥沼の展開です。
共有名義にしている場合には、「住宅ローンの借り換えをする」「住宅ローンを一括返済して完済する」「任意売却などで家を処分する」といった方法を、離婚前にすることが必要になります。
<植村家の場合>
持ち家として戸建て住宅を所有しており、ウエムラ単独で住宅ローンを組んでいます。
ヨメも働いておりますので、夫婦で住宅ローンを組むことも提案しました。返済期間も短くできますし、住宅ローン控除等のメリットもあるからです。
しかし、ヨメの回答は「お前だけで住宅ローンを組め!」というものでした・・・。
ヨメは、住宅ローンのリスクを抱えたくなかったからだそうです。
(確かにノビノビとした生活を送られています・・・。我が家の夫婦格差はすさまじいですw)
住宅ローンを組んだときに「団体生命信用保険(団信)」にも入っておりますので、私に万が一のことがあったとしても、住宅ローンは保険で完済されます。
今の自宅に住んでからは、何かあるとヨメは口癖のように
「早く、⚪ねばいいのに!」(訳すと、早くいなくなればいいのに!)
と言います・・・。
住宅ローンに詳しい訳ではない我が家のヨメですが、直感的に「離婚」リスクまで想定した判断だったようです。(離婚の確率は約3分の1ですので・・・)
ちなみに、
「夫は金融商品である」
という言葉は、ヨメの格言です・・・。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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