建築家の自邸を公開!省エネ住宅「雑司が谷ZEH」はこんな住宅です
省エネルギー住宅の実例としてご紹介している「雑司が谷ZEH」ですが、省エネのためのポイントは他の項目で詳しくご案内するとして、ここではまず、写真を中心に一体どんな住宅なのかを、さらっとご紹介したいと思います。
住宅の概要
豊島区の市街地に建つ4人家族のための木造3階建て住宅です。
敷地は約36坪、延べ床面積は約35坪、池袋の高層ビルも近く、周囲は3階建てが中心の結構建て込んだ地域です。
準防火地域の3階建てなので木造ですが準耐火構造となっています。
金物を使った耐震工法であるSE構法により耐震性能は最高の「等級3」です。
環境共創イニシアチブのZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)認定を取得しています。
仕上と設備
仕上げは出来るだけ種類を減らしてシンプルに、自然素材中心で室内は白い空間に、床材のしっかりした質感が引き立つように計画しました。
設備はオール電化で5.25kwの太陽光発電を設置しました。
空調は10畳用(2.8kw:床下)と8畳用(2.5kw:吹抜上)の2台のエアコンのみです。
給湯はエコキュートです。
- 外部仕上:屋根・ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き 外壁・ジョリパット左官仕上
- 内部仕上:床・オーク無垢フローリング自然塗料塗り 一部ライムストーン
壁、天井・珪藻土左官仕上および珪藻土塗料 - 断熱:壁・内外ハイブリッド断熱(120mm+30mm)+通気層 屋根・200mm+遮熱通気層
- 開口部:Low-eトリプルおよびペアガラス、アルミ樹脂複合サッシ+電動シャッター+断熱ブラインド
間取り
1階は玄関と水回りと寝室、外部ピロティーは駐車スペースです。
2階がLDKの一室空間で3階までの大きな吹抜があります。
3階は子供のスペースで半分は2階からの吹抜です。
3階建てですが親は1,2階だけで生活できます。
敷地の関係で非常に東西に細長いプランで、すべてのスペースが南面します。
3階から上がる屋根裏物置とルーフデッキがあります。
玄関ポーチ
防火の規制がかからない玄関は木製で防犯ガラス入りです。
町並みに開いた植栽があり、シンボルツリーはデッキを突き抜け、2階から間近に見る事が出来ます。
広めのポーチは予備の駐車スペースになります。
2階LDK
2階は大きな一室空間で、半分が3階までの吹き抜けです。
リビング・ダイニングを中心に、オープンキッチンがあり、リビングの一角のスタディコーナーまでひと続きです。
3階への階段もリビング空間に開かれた軽快な螺旋階段で、3階の廊下も吹抜に開いてひとつながりです。
キッチンの奥のパントリーとトイレだけは閉じることが出来ます。
浴室・洗面室
浴室と洗面室は白いタイル貼りの一室空間です。
透明ガラスのスクリーンで仕切っています。窓の位置を工夫して光を採り入れ、バスコートの緑を楽しめます。
いろいろな外部空間
雑司が谷ZEHには変形敷地を逆用した様々な表情を持つ外部空間があります。
リビングの前は緑に囲まれ日除けオーニングのある6畳ほどの広さのウッドデッキ、
寝室の奥にはコンクリート平板を市松状に敷いたシェードガーデン、
浴室、洗面室の前は小さなバスコート、そしてポーチ脇は街並みに開かれた前庭です。
外観
外観は細長い箱形に規格サイズのシャッター付き引き違いサッシというきわめてシンプルな形ですが、
木製ルーバーでゆるやかに敷地を囲み、植栽を施し街並みを形成するデザインを心掛けています。
まとめ
以上、雑司が谷ZEHをサラッとご紹介しました。
4人家族のシンプルな間取りですが、出来るだけ開放的で連続した空間とし、また外部とのつながりを大事にしていて、実際の面積以上に広々と感じられます。
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