ゼロエネルギー住宅(ZEH)普及のカギは、中小工務店や設計事務所!
エネルギーを実質的に消費しない「ゼロエネルギー住宅」が注目を集めています。政府はゼロエネルギー住宅を2020年までに本格的に普及する方針を打ち出しました。ゼロエネルギー住宅普及のカギは、戸建住宅市場のシェアの約7割を担う中小工務店や設計事務所なのです。
ゼロエネルギー住宅(ZEH)のメリット
経済産業省の規定によると、ゼロエネルギー住宅はまず住宅の気密性や断熱性を高め、暖冷房や換気、給湯などの設備を高効率にすることで、エネルギー消費を通常の住宅より20%以上削減します。その上で太陽光発電などの再生エネルギー設備を導入し、エネルギー消費量を正味ゼロかマイナスにする必要があります。
ゼロエネルギー住宅(ZEH)のメリットをまとめます。
- 曇りや雨の日は普通に電力を購入するが、晴れた日は電力会社に電力を売ることができる。
- 導入費こそ割高だが、中長期の光熱費次第でトータルで安くなる。
- 部屋ごとの温度差が少なくなり、健康にもいい。
なぜ中小工務店や設計事務所が普及のカギなのか?
国は、ゼロエネルギー住宅(ZEH)の普及を進めるために、交付要件を満たす住宅に補助金を出すことにしています。その補助金を受けるには、住宅会社にある登録を義務付けました。2020年度までに受注の50%以上をゼロエネ住宅とする目標の住宅会社を「ZEHビルダー」と認定し、その会社が手がけた家で交付要件を満たさないと補助金が支給されないのです。
戸建住宅市場のシェアの約3割を担う大手ハウスメーカー各社が手がける住宅では、ゼロエネルギー住宅(ZEH)化に注力している会社もあり普及が進んでいます。しかし、国が掲げる目標を達成するには、実は戸建住宅市場のシェアの約7割を担う中小工務店や設計事務所が手がける住宅のゼロエネルギー住宅(ZEH)化が必須なのです。
現在、普及を先導するのが、高い技術力や向上心を持つ、地域の工務店や設計事務所です。そうしたつくり手は、価格や手間を抑えながら性能を最大限高める設備・仕様の組み合わせ方を研究、実践しています。その結果、大手ハウスメーカーよりもコストを抑えつつ、デザインや使い勝手も行き届いたゼロエネルギー住宅をつくることができるのです。
まとめ
ゼロエネルギー住宅(ZEH)普及へは、いくつかの課題があります。
基準を満たす仕様にするとコストが上がり、補助金で一部負担しないと金額的に厳しい。
省エネ設備などの低コスト化。初期投資が光熱費の節減で回収しやすくなると普及は進む。
消費者の関心事は意匠や間取り、価格で、省エネへの関心度はまだ低い。
上記のような課題はありますが、真摯な家のつくり手は、独自のノウハウでゼロエネルギー住宅に取り組んでいます。
ゼロエネルギー住宅に関心の高い方は、つくり手選びをする際に、その会社が「ZEHビルダー」であるか、あるいは「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の実績があり前向きに取り組んでいるかを必ずチェックしてください。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
最新記事 by HOUSEBASE 代表取締役 植村将志 (全て見る)
- 4号建築物も構造図書の保存義務化へ - 2020年1月10日
- 耐震等級の徹底解説!住宅性能表示の構造の安定とは? - 2019年7月29日
- 住宅のリフォームは「健康性能の強化」が必須な理由 - 2019年6月15日
- 工務店は「事業承継できるかどうか」で選ぶ時代に - 2019年5月20日
- 省エネルギー住宅の「全館空調」はエアコンのみで実現できる - 2019年5月19日
こちらから(コメントフォーム)自由にコメントください!