家づくりのキーパーソン!工務店の社長の仕事とは?
多くの工務店は、多様な要請に応えながら、建主に喜ばれる住まいづくりのために全力を尽くしています。そのリーダーが、工務店の社長です。営業、見積り、設計、施工、メンテナンスといった工務店独自の業務の管理から、社員の採用や育成、総務や経理など経営者としての仕事も求められます。このコラムでは「工務店の社長」の仕事について説明します。
工務店の社長の仕事は「ハードワーク」
工務店の社長の仕事は、一言で「ハードワーク」です。顧客対応から、社内の仕事のチェック、進行中の現場確認、アフターメンテナンスの対応など、かなり多岐にわたります。当然一人で全てに対応することはできませんので、社員に的確に仕事を振り分けています。
工務店の社長は「トップセールスマン」であることを求められます。受注が増えて社員も増えれば、今度はその規模に見合うだけの仕事を確保しなければなりません。
今までお付き合いのあるお客様のところをこまめにまわったり、趣味と実益を兼ねてグループや地域のネットワークに参加したり、ボランティア精神を発揮して町内の世話役を仰せつかったりなど、地域における人脈を広げ、顔を広くして受注の機会を拡大しておくのも大切な仕事です。
工務店にとって最も大きなイベントは、住宅が完成したときに行う見学会(オープンハウス)です。ハウスメーカーや大手ビルダーのように住宅展示場を持たない工務店が、苦心して編み出した営業手法です。工務店にとっては、自分たちの造った家を見てもらえる「晴れの舞台」ですから、会社全体で参加する会社もあります。
もっとも、自宅を人には見せたくないからといって公開を拒むお施主様もいらっしゃいますので、必ず開催できるというものでもありません。実際には、ほとんどのお客様が見学会を許可してくれることが増えています。
同業他社も見学会等のイベントは実施しているため、他の工務店との差別化をいかに計るかを考えることも、工務店の社長の仕事です。
工務店のいいところは、ハウスメーカーや大手ビルダーと違い、地域で顔の見える存在であることです。背後には、多岐に渡る建築関連の業種の集団が連なっています。建材メーカーや建材の代理店、大工さん、職人さんなどです。
工務店は会社の規模は小さくても、家づくりのための技術者集団としてみるなら、少なくとも50人以上は控えていることになります。その集団に、工務店が提唱する家づくりの理念や方針が浸透していることが重要となりますが、まさにそのリーダーシップが工務店の社長に求められる役割です。
自社の現場で使用した建材に何年か経過した際に不具合が出れば、取り替えるのはもちろん、なるべく問題にならない材料をはじめから選んだりしています。そのためには、工務店の社長自らが、材料の性質や性能についての情報を集め、いい材料があると聞けば分析や検証を行います。
まとめ
工務店の社長は、お客様のための良い家をつくることと同時に、その地域や家を守っていく「家守り」としての役割を果たすために、会社を継続させていかなくてはなりません。そのためには適正な利益を確保しつつ、優秀な人財の育成や、大工さん・職人さんとの良好なネットワークを構築する必要があります。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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