建築家選び8つのポイント⑧建築家の自邸はどんな家か?
連載でお届けしている良い建築家を選ぶ8つのポイント、最後は「建築家の自邸はどんな家か?」についてです。
建築家にとって自邸は究極の作品であり、日々を暮らす場所。
そこでの価値観は、まさに建築家自身のアイデンティティーそのものなのです。
【ポイント8】建築家の自邸はどんな家か?
よい建築家を見極めるための8つのポイント、最終回は「建築家の自邸」についてお話ししましょう。
建築家の住まいに対するこだわりや価値観を具体的に確認できる、最も簡単な方法。
それは、建築家自身が「どんな家に住んでいるか」を知ることです。
どんな家なのかを聞いてみるのもいいですし、見せてもらえるなら、なお分かりやすいですね。
一戸建てでも集合住宅でも、新築でもリノベーションでも、建築家の自邸にはその人らしさが必ず表現されています。
仮に賃貸住宅だとしても、自分らしさを表現する工夫が見られることでしょう。
また、施主の家を「作品」としてだけでなく「暮らす上での快適な空間」と考えられる建築家かどうかも、家を見ればわかります。
私の知り合いに、住宅の温熱環境への意識がとても高い建築家がいます。
彼が温熱環境に関心を持つようになったのは、自ら設計した自邸が「思ったより冬は寒く、夏は暑かった」からなのだそう。
たしかに自分が作った家の「暮らしやすさ」を実感する機会は、建築家といえども、自邸以外にはなかなかないですよね。
彼は「お客様に自分と同じような思いをさせてはならない」と固く誓い、それ以来、温熱環境をとりわけ重視するようになったというわけです。
【方法】
依頼してみようかなと思える建築家の候補が定まってきたら、ぜひその人自身の家を見せてもらえないか、お願いしてみてください。
建築家は現場に出ることが多く、お客様との打ち合わせも週末に集中しやすいため、ゆっくり家で過ごす時間は少ないものです。
しかし自宅が事務所を兼ねている場合もありますし、なかには自邸をショールームとして使っている人もいます。
いずれにしても、建築家の自邸には設計者としての「想い」「技」「工夫」が詰まっています。
訪問できてチャンスがあれば、住んでいるご家族の感想も聞いてみてください。
もしかしたら、建築家自身からは聞けないような反省点なども情報として聞けるかもしれませんよ!
まとめ
日本に数千人いる建築家から、一人を選び出すことはできそうでしょうか?
まずは様子を見たり聞いたりしやすい、あなたの地元で活躍している建築家から調べてみましょう。
「この人よりあの人かな?」「それよりもこういう方がいいのかな?」と比較していく中で、あなた自身の好みや理想も、より明確になっていくかもしれません。
そして、この人かなという建築家が見つかったら、ここまでご紹介してきた「8つのポイント」をチェックしてみてください。
いい人・いい会社と出会うことが、何よりも家づくり成功の秘訣ですから。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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