公開日:2016.07.07 / 最終更新日:2018.11.03
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考えて決められる、「すまい手」になろう
家づくりは決断の連続です。
誰に設計、施工を頼むのか、家の構造をどうするか、間取り、外装、内装、設備…多くのことを、次から次へと決めなくてはなりません。
大きな力で流れ続ける川を泳ぎ切るのに似て、「家づくりの知識」=泳ぎ方が身についていなければ、意図せぬところへ流されてしまいます。
本当の「自分の家」を建てるため、「自分は専門家じゃない」と考えるのをやめてみませんか。
家づくりを自分自身で考え、決められる人――「すまい手」になるための方法をお伝えします。
施主、建て主と「すまい手」は何が違うのか
「自分の希望にぴったりと沿う家を、最小限の経済的負担で建てたい」。
家づくりをする人で、そう願わない人はいないと思います。
しかし「自分の希望にぴったり」な家は、どうやったら建つのでしょうか。
「最小限の経済的負担」はどう見積もればよいのでしょう。
私が出会ってきたほとんどの建て主は、何も見えない闇の中、手探りでその答えを探している状態でした。Web上の情報は業者が売りたいものに偏っているし、書籍を探しても専門家が書いた「建築」(「住まい」ではなく)の教科書だったり、細分化された技術についての書籍だったりする。家づくりの情報はあふれているように見えますが、本当に必要なことを学ぶのは、忙しい私たちには難しくなっています。
その中で、建て主は「自分は専門家じゃないから…」という意識のまま、家づくりを進めるしかありません。けれどそのままでは、次のような問題が起きてしまうのです。
- 自分で判断できないので業者側の提案を丸呑み。「建った家に自分を合わせる」暮らしになってしまう。
- 「自分は施主なんだ、お金を出しているのだ、偉いんだ」という意識から、根拠のないコストダウンや無理難題を業者に迫る。互いの信頼関係が消え、家の品質やアフターメンテナンスに影響が出る場合もある。
どちらの問題も、その原因は業者にもありますが、実は施主にもあるのです。
自分にぴったり合う家を建てるには、何も知らない「施主」のままでいてはダメなのです。
自ら家づくりについて学び、積極的に家づくりのパートナーとコミュニケーションを取る必要があります。そもそも、「施主」・「業者」という呼び方に、「お金を出す(だけの)人」、「現場で工事する(だけの)人」というイメージがありませんか。
「お金を出すだけの施主」とは違うという意味で、自ら考え、判断できる建て主のことをHB PRESSでは「すまい手」と呼んでいます。
また、実際に家を建てる人たちは、すまい手と平等な立場であり、ともに家づくりを担うパートナーとして、「つくり手」という言葉で表現しています。
家づくりにのぞむみなさまには、ぜひ主体的な「すまい手」になっていただきたいのです。
家づくりの主導権を人に渡さない、そのことで、間違いなくより豊かな家と人生が手に入ることを、これまでの経験で知ったからです。
まずは「すまい手」マインドを身に着けるため、次の三か条を心のどこかに留めておいていただければ、とてもうれしいです。
「すまい手三か条」
- 学び続けることに挑戦する
自分で判断し、決めるためには知識が必要です。 - 住まいは資産ととらえる
住まいをなるべく「負債」にしない方法を考えましょう。 - つくり手と対等な立場であることを忘れない
家づくりに最も大切なことは、信頼できるパートナーです。
すまい手のための「HB PRESS」
私が工務店に務めていたころ、出会ったお客様に「この会社に出会えなかったら、どこに家づくりを頼んでよいかわからなかった」と言われました。
よく見れば、そのお客様だけでなく、みんなが家づくりで迷っていました。
自分の安心できる家をつくるのは、太古から人間が行ってきた営み。
それが今の日本では、建てる主人公が不安にかられながら進める作業になってしまっている。
家をつくる人みんなが正しい情報を得て、安心して家をつくるのを当たり前にしたい。情報がないなら自分が発信しよう。そう思いました。
起業前の仕事が大好きでしたが、「売り手中心の家づくりを変える」という夢の実現は「業者」という立場では無理でした。自分自身が中立的な立場になることが必要だと考えたのです。
そこで「HOUSE BASE」を起業し、まず立ち上げたのが、このHB PRESSです。
HB PRESSは、すまい手が根拠にできるような最新情報、ニッチな情報、細かい質問の答えがわかるウェブサイト。すまい手同志の交流や情報交換ができたり、運命の「つくり手」と出会えたりする場。
このHB PRESSを利用して、自分で考え選んでいける「すまい手」になってくださったなら、これほどうれしいことはありません。
HB PRESSを読んでくださるみなさんの家づくりが、素晴らしい体験でありますように!
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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