「どこに住むか」で決まる!失敗しない住宅選びの3つのポイント
住宅選びを始めるときに、まず悩むのは「どこの街に住むか」ですよね?今まで住んでいて愛着の持てる街、憧れの住んでみたい街など、いろいろ選択の基準はあると思いますが、大前提としては「住宅の価値が下がりにくい街」の住宅で暮らすことが、資産価値という点では重要です。このコラムでは、「どこに住むか」を決める際に判断しやすくなる基準についてお伝えします。
とにかく住宅は「立地」で決まる
住宅選びのコツは、とにかく「立地」に尽きます。どんなに広い土地や建物を所有しても、その場所のニーズが低いならば市場価値は低いからです。
立地選びについて、首都圏の場合における確認したほうがよいチェックポイントは下記となります。
- 主要ターミナル駅までのアクセスのしやすさ:乗り換えの有無、乗車時間等を確認
- 駅からの距離は近いほうがよい:徒歩10分以内が望ましい
- 周辺の生活環境を確認する:行政機関、学校、買い物、その他
- 都市計画図を入手し分析する:地域の将来像を予想する
- その街の魅力:親しみのある商店街がある、自然が充実している、その他
これから本格化する人口・世帯数の減少に伴い、今後起こっていくと予想される変化は、「駅周辺か鉄道沿線に集まって住む」ことです。
「自治体」の未来を予想する
これから本格的な人口減少、世帯数減少が始まると、人の流れとしては「都心・都心部への集中傾向」と「人気のある街への偏在化」が起きることが知られています。
お気に入りの「立地」が決まったら、次に確認してほしい点は、その「自治体」です。なぜなら今まで以上に自治体間で格差が生じることが予想されるからです。
自治体がその街に暮らす人のために提供する「行政サービス」は、主に税収から負担されます。自治体の主要財源である固定資産税は、不動産価格が下落すれば、それに連動して減収になります。またその自治体の人口が減少すると、住民税等も減少することになります。最悪の場合、その自治体は財政破綻してしまう可能性もあります。
自治体について、確認したほうがよいチェックポイントは下記となります。
- 人口減少率:人口が減少する自治体は、税収が減り、行政サービスが悪化する
- 行政サービスの確認:医療費、子育て支援、その他
- 居住誘導地域を指定しているか:自治体が「人口密度を維持すると宣言する地域」があるか
- 災害の備え:地域の特性をふまえ、具体的な防災対策を検討、実施しているか
- 自治体の行政や財政に課題がないか:行政サービスの向上に前向きかどうか
多くの自治体は、「人口密度を保ち、なるべく地価が下がらないようにする」エリアと、「人口密度の維持にこだわらず、行政サービスを徐々に減らしていく」エリアに分けていくことが避けられない状況です。
現在ではインターネットや経済誌などで、必要なデータは取得しやすくなっています。役所を訪問して関連部署にヒアリングしてもよいでしょう。
「沿線ごとの格差」を確認する
今後は、沿線別の格差も広がっていきます。首都圏の場合、全体として極端な「西高東低」の傾向にあります。東京都の西側から神奈川県側が人口の増減率が比較的高い予測で、東京都の東側から埼玉県、千葉県側が人口の増減率が比較的低い予測となっています。
首都圏の人口動態で確認すべきなのは、主に「生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口層)の増減率」と「夜間人口の増減率」です。この2つのデータで、実際に「税収」や「消費」などの傾向がわかるからです。
国土交通省が発表している資料などで情報は収集できますので、念のため確認しておくことをおすすめします。
まとめ
日本はこれから本格的な人口減少社会に突入します。地方では「限界集落」と呼ばれる、高齢化、少子化、人口減少によって、持続不可能な地域が多く存在します。都市部においても、将来同様の事態が発生することは避けられません。こうした中での住宅選びには、前述したチェックポイントを確認して、資産価値や行政サービスが低下しにくい「失敗しない住宅選び」を行いましょう。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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