設計事務所と美しいデザイン住宅をつくるための心構えとは?
住宅は長く使うものですので、住まう人にとって「美しい住宅」を建てることは、長い期間を住宅に愛着を持っていただくためにとても大切なことであり、それこそが設計事務所に家づくりを依頼することの目的にもなると言えます。このコラムでは、設計事務所や工務店とともに美しいデザイン住宅をつくるための心構えについてお伝えします。
住宅における美しさとは「バランス良く、整える」
そもそも、美しい住宅とは何でしょうか?美しいという表現は極めて主観的なものでありつつも、多くの人に受け入れられる「普遍的な美しさ」というものは存在します。その普遍的な美しさにはさまざまな解釈がありますが、筆者が考えるには「飽きのこないデザイン」という要素と、「バランスを整える」という要素が大きいと考えます。
飽きのこないデザインというのは、歴史的な建造物や長い間使われている日用品の中に多く存在します。普遍的な美しさがあるからこそ、長い歴史の中で私たちの生活や街に馴染んでいると言えます。
バランスを整えるということは、「バランスが良い」「整っている」と評価できるものは総じて美しさを備えていると言えるでしょう。住宅の設計におけるバランスが良いというのは、住宅を構成する要素の比や強弱の割合が適度な状態であるときです。
住宅は大きな範囲から小さなディテールに至るまで、周りを取り巻く多くのものと関わることになります。その関わるものとのバランスが大切であり、そのバランスが良いときに、美しいと感じられるのではないかと思います。
例えば住宅と外部との関係においては、地域の風土や街並みや風景、近隣の状況が、住宅のデザインを考える上での重要な要素になります。
住宅の内部においては、住む人のライフスタイルや好みのテイストによって、家具や道具、見た目や手触りなどが関わってきます。
住宅は実際に人間が長く生活する空間になりますので、見た目の美しさだけではなく、その住宅に暮らす人の将来の価値観や健康状態までもふまえて、間取りや性能、デザインを考える必要があります。
経済性や安全性も住宅のバランスを考える上では、とても重要な要素です。住宅は資産となるように考えるべきです。
これら全ての要素を「バランス良く、整える」ことが、美しい住宅をつくるために必要なテーマです。
美しい住宅をつくるために設計事務所と共に考えるべきこと
住宅は、周囲を取り巻く多くのものごとと関わることになります。特に設計事務所との家づくりを考える目的の一つとして、自分が望む美しさを住宅として実現することであり、いろいろな要素のバランスを整えていくことが、結果として美しい住宅の実現につながります。
美しい住宅を考えたときに、「均整のとれたプロポーション」や「端正な佇まい」などの表現があります。すまい手としての視点で考えると、その住宅での暮らしで日常的に感じられるシーンのことなのではないかと考えます。窓から眺められる季節の移り変わりであったり、心地よい光や風の流れ、庭にある植栽の様子だったりします。
住宅は、住む人の生活や環境に寄り添う存在であることが大切です。美しい住宅とは、そこで暮らす人に「美しいと感じられる場」を提供できる住宅です。
都市部での限られた敷地でも、設計のテクニックで自然を感じられる住宅や、プライバシーを守りながら快適な暮らしができる住宅を設計することは可能です。
まとめ
家づくりは、すまい手にとって大変な労力とエネルギー、時間、お金を使う大事業です。それと同時に「自分らしい住まい」を実現できる楽しいことでもあります。せっかくのイベントになりますので、家族と共にぜひ楽しんでほしいと考えています。
設計事務所との家づくりを決断して、その設計者の提案を受けるときには、図面や模型を見ながら、その住宅の中に入り込んだつもりになって「美しいと感じられる場」であるかどうかを感じながら設計を進めることがポイントです。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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