電気代が節約できる!省エネ家電の「選び方」と「使い方」
省エネ家電とは、少ない電力で稼働できる電化製品というだけでなく、消費するエネルギーに対して効率が良い電化製品のことを言います。私たち消費者にとっては電気代が少ないというとても分かりやすい基準です。
国が定めているZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準では、電化製品で使うエネルギーはカウントしないので、そこでどれだけ電気を使ってもZEHは達成できます。しかしテレビ、冷蔵庫、洗濯乾燥機、食洗機などの電化製品はそれなりに電気を消費します。一般家庭の電化製品の電気使用量は年間1500kwh前後で、家庭での全使用量の1/3弱ですから、とても無視できません。本当の省エネを目指すには、電化製品の省エネ性能も大切です。
電化製品の省エネラベル
電化製品の中で電気の消費量が多いものというと、冷蔵庫、洗濯機乾燥機、テレビ、食洗機などがあります。また見落としがちですが温水洗浄便座も無視できません。これらの省エネ性能を手っ取り早くチェックするには、「省エネラベル」があります。
省エネラベルは、目標値に対して何パーセント省エネを達成しているかが表示されていますので分かりやすい指標です。ただし、すべてに省エネラベルが付いているとも限りませんので、年間消費電力の数字もしっかりチェックしましょう。このコラムでは、代表的な電化製品について省エネの観点からチェックしていきます。
冷蔵庫は、大きい方がかえって省エネの場合もある
冷蔵庫の省エネ性能は急激に改善されているので、消費電力は10年前のものと比較して1/4程度になっています。大型の物だと買い換えると年間の電気代が1万円以上安くなりますから、古い物は買い換えた方が経済的です。
また意外なのは、必ずしも大型の方が電気を消費するとは限らないことです。小さい物は普及品という位置づけのため断熱気密性能が劣り、省エネ化も遅れていてかえって電気を消費する物が多いですから、年間の電気使用量などのカタログデータをよく見ましょう。
テレビ:4Kテレビは電気を消費する
テレビは、液晶になったことで以前のブラウン管の時代から考えれば、かなり省エネになりました。省エネのポイントとしては当然のことながら画面が大きいほど、ほぼ大きさに比例して電気を食います。
また話題の4Kテレビは、画素数が4倍あるのでほぼ4倍の電気を消費します。なお最近はほとんど見られなくなりましたが、一見液晶と同じようなプラズマテレビも4倍ほど電気を使いますので、その点では断然液晶が優れています。省エネのポイントとしては「不要な時にはまめに消す」こと。これしかありませんね。
洗濯乾燥機:乾燥をよく使うならヒートポンプ式を
洗濯乾燥機の場合、洗濯だけならたいした電気使用量ではなく、どれも大きな違いはありませんが、乾燥については方式により電気代に大きな差が出ます。
縦型よりドラム式がよいですし、ドラム式でも乾燥がヒーター方式とヒートポンプ方式では3倍ほどの開きがあります。したがって乾燥まで使うことが多い場合は多少高くてもヒートポンプのドラム式が圧倒的に省エネ性能が高くお得です。毎日一回運転する場合、年間の電気代で1万円ほどの差が出ます。一番の節電はなるべく天日に干すということですね。
温水洗浄便座:瞬間式がよい
温水洗浄便座は、それほど電気を使うイメージがありませんが、実はテレビと同じ程度の電気を使っています。
温水洗浄便座には、洗うお湯を溜めておく貯湯式と、使う瞬間に湧かす瞬間式がありますが、電気の使用量は瞬間式が約半分で省エネです。お湯を溜めておくと冷めてしまう分が無駄になるのです。電気の使用量で年間100kwh程度の差が出ます。また蓋をこまめに閉めることも暖房便座からの放熱を防ぎ、かなり節電になります。
食洗機:省エネの観点からは贅沢品ではありません
食洗機は贅沢品、なるべく手洗いで済まそうと思いがちですが実はそうではありません。省エネの観点からは食洗機が断然優れています。
電気の使用量という意味では、手洗いはゼロですから当然食洗機の方が多いのですが、水の使用量は1/10程度です。さらに手洗いの場合はお湯を使いますからお湯を沸かすエネルギーが必要です。したがって水道代やお湯を沸かす燃料代を含めたトータルの光熱費で比較すると、食洗機は手洗いの半分以下になります。省エネかつ家事の手間が省けるのですから、食洗機は必需品とも言えると思います。
さらに省エネ性では、ドイツやスウェーデンなどのヨーロッパ製が優れています。国産の倍以上の容量がありながら、1回あたり国産と同量の水しか使いませんし、乾燥がヒーター式ではなく余熱乾燥だからです。洗浄も強力です。ただし余熱乾燥なので少し水滴が残りますが問題になるほどではありません。ヨーロッパ製の60センチ幅の食洗機は高価ではありますが、一日分の食器を溜めておき深夜に運転すると一番省エネで経済的です。
まとめ
電化製品を買う時は、できるだけ省エネ性能の優れたものを揃えることは大事ですが、忘れてはいけないのが使い方です。最近の家電品は、「省エネモード」がついていることが多いですからできるだけ選びましょう。省エネ家電も無駄に使わない工夫が何よりも大切であることには変わりがありません。省エネ家電も、基本は「使い方が大事」ということです。
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