建築家選び8つのポイント⑥信頼できる工務店が存在するか?
連載でお届けしている良い建築家を選ぶ8つのポイント。
6つめは「信頼できる工務店が存在するか?」です。
建築家と工務店は、よい家づくりの両輪ともいえる存在。
お互いに信頼できる関係であることが、よい仕事をしてもらう上で不可欠です。
【ポイント6】信頼できる工務店が存在するか?
シリーズ1回目のコラムでは、あなたに合った建築家を見極めるために8つのチェックポイントを挙げました。
今回は6番目、「信頼できる工務店の存在」についてお話しします。
家の設計は建築家の仕事ですが、それを形にしていくのは工務店の仕事。
家をつくる上でどちらも欠かせない存在ですが、いつも同じコンビで動いているとは限りません。
何度も良い家を建てているコンビなら、お互いの仕事の進め方や考え方などがわかっていて、スムーズに家づくりが進みます。
しかし、一緒に仕事をした経験が少なければ考え方ややり方をすりあわせるところから始める必要があります。
これは、素人が考える以上に難しいことなんです。
少し業界事情をご紹介しておきましょう。
そもそも工務店にとって、建築家の仕事というのは利益が出しにくいものです。
なぜなら、特殊なデザインだったり、部材の納まり、取り付けが規格品と違ったり、一般の家より手間がかかるからです。
手間がかかる分、工事のスピードが遅くなる。
そのうえ、現場の進行までスムーズでないとたいへんです。
建築家の紹介案件は自社案件と比較して「営業経費」はかかっていないのですが、鍵である「現場経費」がかさんでしまえば適正な利益が確保できなくなるのです。
そこで力を発揮するのが、建築家の「現場力」です。
具体的には建築家自身の「現場を見る力」と、実際に家をつくる現場監督や大工さん、職人さんとの「人とのコミュニケーション力」があるかどうか。
互いの信頼関係があれば、期待に応えて力を発揮しようとする相乗効果が生まれ、結果的に良い家づくりができるのです。
【方法】
建築家と工務店の関係を見極めるには、建築家に「おすすめの工務店はありますか?」と聞くことです。
たくさんの家を手がけている実績の豊富な建築家であれば、自分の設計意図を理解し、しっかりとした施工をしてくれる「おすすめの工務店」を自信をもって紹介してくれるはずです。
まとめ
繰り返しますが、建築家と工務店は家づくりの両輪です。
どちらが上、下ということなく、お互いにプロフェッショナルとして認め合い良好な関係を築いていることが重要です。
「お客様」に対しての顔は良く見えるものですが、パートナーである工務店さんに対してどのように接しているのか、それをしっかりチェックしてくださいね!
次回はポイントの7つ目、誰でも悩む「本音のお金の話」についてです。お楽しみに!
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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