木造の「四号特例」廃止延期が終わり「構造計算義務化」となる現実
近年、木造住宅業界では、四号建築物の特例廃止が話題になっています。この問題に詳しい弁護士などが主導して積極的に活動しています。全ての四号建築物の仕様規定を満たしている必要があり、仕様規定にある簡易計算や仕様チェックにより安全性の検証を行います。しかし、四号建築物は小規模な上に設計は国家資格を持つ建築士が行うため、仕様規定のチェックを確認申請に提出する必要はありません。つまり、確認申請を円滑に行うための措置なのです。しかしながら現状では建築士を「性善説」で考えたこの「四号特例」は、意図した用いられ方をしておらず、安全性の検証がされていない木造住宅が増え続けています。
「四号建築物の確認の特例」の現状
確認申請を円滑に行うための措置であった「四号建築物の確認の特例」は、現在でも建築士を「性善説」で考えた運用がなされており、結果として安全性の検証がされていない「耐震性の低い木造住宅」が増え続けています。
「四号建築物の確認の特例」廃止の障害
「四号建築物の確認の特例」の廃止は当然の措置であり、一刻も早く廃止すべき制度ですが、現在特例廃止は「延期中」という異常な状態になっています。
その理由は、「木造住宅業界からの猛反発」です。具体的には、下記のような理由です。
- 確認申請の時間が増える→着工が減る
- 仕様規定チェックをしない一部の建築士のために全ての住宅に特例廃止はおかしい
木造住宅業界では仕様規定の簡易計算である壁量計算、四分割法、N値計算ができない(あるいはやったことがない)建築士が多数います。
「四号建築物の確認の特例」に甘え、現在も安全性の検証がまったく行われていない木造住宅が建築され続けているのが実情であると言わざるを得ません。
このような状況で「四号建築物の確認の特例」の廃止を行うと、建築士は対応できず住宅業界は大混乱を招きます。よって「四号建築物の確認の特例」の廃止は延期されています。
まとめ
「四号建築物の仕様規定チェック」ができない建築士が多数いることで、住宅業界の大混乱を招くことを恐れて「四号建築物の確認の特例」の廃止は延期され続けています。「四号建築物の確認の特例」廃止が延期されて、もたらされることは、「建築士や業界保護のために、消費者には耐震性能不足の住宅で我慢してもらう」というひどい現実です。これから住宅購入を考えるすまい手は、必ず「構造計算を行う」ことと、「耐震等級3を確保」してもらうように住宅会社に依頼すべきです。
今回ご紹介する優秀な設計事務所
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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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