公開日:2016.04.13 / 最終更新日:2018.11.03
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家づくりを支える手しごと
エムテックの特徴は、建築家との仕事が多いということです。家づくりの「個性」を担うのは、その土地に根ざしたプロフェッショナルの現場監督や、大工さん、職人さんの存在です。
神奈川県の南側にある二宮町は、南は相模湾に面し、海岸線と平行するように西湘バイパス・国道1号線・東海道本線が東西に横断するところです。
この地で創業した「株式会社エムテック」は、厳選された大工さん、職人さんとのチームを結成し、徹底的にディテールにこだわるという独自の哲学をもった工務店でした。
ものづくりのあるべき姿を愚直に考え続け、実績を積み重ねながら、技術力を活かした家づくり。そんな魅力あふれる話を聞くことができました。
二宮生まれ、二宮育ち
エムテックの代表は小澤睦さん。
明るく、はきはきと言葉を口にする姿からは、優しさと情熱を感じられる方でした。
エムテックの事務所は、JR二宮駅から徒歩10分の場所にある賃貸住宅を自社でリノベーションした部屋にあります。
事務所内部は2室に分かれており、打合せ用の部屋と、小澤さんの執務用の部屋がある。事務所内部はすべて小澤さん自らがつくった造作の本棚や打合せテーブルがあり、ものづくりが本当に好きなことが感じられる。
小澤家は古くから二宮町で代々暮らしてきたそうです。
「二宮で生まれ、この街にずっと住んでいます」
「子供の頃は、外で遊ぶのが好きなやんちゃな男の子でした(笑)。中学生のときは陸上部に入り、高校ではサッカー部に入りました」
「祖父が創業メンバーの一人だった電気機器メーカーが二宮にあり、私の父もその会社に勤める電気設計の技術者でした」
そうした家系で育った小澤さんは、子供の頃より漠然と技術者に興味を持つようになる。
「小学生のときに親が実家を建て替えたのですが、子供心に現場で家をつくる大工さんの姿に憧れました。将来は大工さんになりたいと思いました」
地元の高校を卒業後、東京にある建築系の専門学校に進学する。
「二宮から東京の目黒まで通学していたので、往復でかなり時間がとられますので、製図の課題は居残りしなくても終わるように頑張って書いていましたね。おかげで製図の成績も良かったですし、今でも図面を書くのは好きです」
地元の工務店に就職し、腕を磨く
「卒業時は大手の建設会社に就職するという選択肢もあったのですが、ちょうど実家が所有する土地にアパートを建設しており、その工事を請け負っていた地元の工務店に誘っていただいたこともあり、ご縁を感じて入社することにしました」
就職した会社は、木を使った造作工事を得意としており、様々な建設会社の現場も数多く経験したという。小澤さんが入社した当時は、住宅建設の業務については、いろいろ試行錯誤していた時期だったらしい。
「勤務先の経営者が温かく見守ってくれたこともあり、いろいろと勉強を重ねながら、営業、設計、見積り、工事と様々な経験を積むことができました。本当に感謝しています」
「自分自身が大工さんに憧れていたこともあり、一緒に仕事をする仲間である大工さんや職人さんとは、ものづくりに関して刺激しあえる関係を築くようにしていました」
「本音で語り合える仲間だからこそ、ものづくりに関して時に衝突したりすることもありました。そんなことも今ではいい思い出ですね(笑)」
その工務店では、自社の案件とは別に、小澤さんの意識の高いものづくりの姿勢が評価され、様々な建築家案件の施工の実績を積み上げる。
「自分の設計による家も手がけていましたが、徐々に建築家が設計する美しいデザインを美しい納めでつくってみたいという気持ちが強くなっていきました」
その後、小澤さんは勤務先の会社から「のれん分け」するかたちで、平成24年にエムテックを創業する。
建築家案件のエキスパート
自分で工務店を設立という環境に変わったものの、小澤さんの大切にしていることは一貫していました。
「建築家は、デザインや仕様に対してとてもこだわります。そのこだわりを理解し、施工現場の大工さん、職人さんに伝えることはとても大変な作業です」
「私たちは、そんな建築家との仕事も真正面から取り組んでいます」
「そこで生まれた建築家との信頼感が、その後も次々と新しい仕事に繋がることを工務店としてとても誇りに思います。「プロ」である建築家に認められる仕事ということです」
「建築家と仕事で経験したことはとても貴重です。デザイン性と使いやすさをどう両立するかも勉強できます。工務店としてどうお施主様にこのノウハウを還元していくかを常に考えています」
エムテックは絶えず現場からのフィードバックをしながら、これからもクオリティの高い住宅を提案し続けていきたいと考えている工務店です。このような「熱い」家づくりを求めるお客様には最適なつくり手です。
株式会社エムテックの「家づくりを支える手しごと」はここまでです。
次回は「家づくりへの想いを、こだわりの技術で応える」をお伝えします。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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