公開日:2016.03.28 / 最終更新日:2018.11.03
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てまひまをかける
お客様のために「てまひまかけた家をつくる」ことを社員、大工さん、職人さんの力を合わせて取り組んでいるつくり手が「株式会社リモルデザイン」です。家づくりにこだわる姿勢について、代表取締役の菅沼利文さんに話をうかがいました。
家には、その家に暮らす人の願いと、つくり手の想いが込められています。
今回ご紹介する会社は、横浜で家づくりを手がけている工務店の株式会社リモルデザインです。
リモルデザインは、つくり手として「てまひま」かけることを常に心がけることで、お客様の願いに応えようとしている会社でした。
決して飾ることなく、愚直に真摯にお客様に対して家づくりに取り組む姿勢が感じられました。
相鉄線三ツ境駅から歩くこと3分。本社事務所のある建物が見えてきます。
建物の3階にある事務所内に差し込む光の下で取材を行う。
窓の外には広いルーフバルコニーがあり、ウッドデッキが敷かれている。植物も多く置かれ、屋上庭園のような外部空間となっています。
出迎えてくれたのは、代表の菅沼利文さん。
リモルデザインの創業者です。創業16年とのこと。
ゆっくりと、ひとつひとつの言葉を口にする姿からは、丁寧さと温かさを感じられる方でした。
「父親が建築関連の仕事を営んでいて、子供の頃から父に連れられて建設現場に手伝いに行っていました。ものづくりも好きでしたし、子供心に現場で一番偉いのは大工さんだと感じて、将来は大工さんになろうと思っていました。ところが学校を卒業する前に、現場監督のほうが大工さんより偉いということを聞きまして(笑)。慌てて建築の専門学校に進学し、きっちり勉強しました。」
卒業後は、大手不動産会社の住宅部門で工事監督や商品開発、設計などの仕事を担当し、2000年にリモルデザインを創業した菅沼さん。
大手の企業から自分で工務店を設立という環境に変わったものの、菅沼さんの大切にしていることは一貫していました。
「てまひまかけた家をつくりたい」
菅沼さんは、前職では当時バブルの時代ということもあり、社外の建築家の設計によるこだわりの注文住宅の現場監督をすることが多かった。
「勤務先の標準仕様・規格にはない、独自の仕様・おさまりを考えながら実現する家づくりにやりがいを感じていました。」
その後、時代の変化と共にそうした仕事も減少し、会社方針も従来の規格を重視した家づくりにシフトする中、菅沼さんは組織の中で、できること・できないことのジレンマを感じ、自分が信じる家づくりを行うために起業。
創業期は、自分のスキルを活かしながらいろいろな仕事を手がけ、設計事務所から依頼された案件の施工をきっかけに徐々に注文住宅の受注が決まるようになったという。
「現在の仕事は、新築の注文住宅から、リフォーム・リノベーションまで行っています。自社で設計・施工で行う仕事のほか、設計事務所の設計による案件の施工や、ハウスメーカーのデザイナーズ住宅や木造の施設などの施工を手がけています」
- 注:ハウスメーカーは全国の工務店と施工のネットワークを構築しています。
リモルデザインは、大手ハウスメーカーからも技術力や実績が評価されており、ハイグレードな住宅の仕事を指名で依頼されることも多く、手がけた家の中には、テレビコマーシャルに使用された住宅もあるそうです。
「現在の仕事の割合としては、年によって変動はありますが、自社の案件が4割、設計事務所の案件が4割、ハウスメーカー・その他の仕事が2割です」
技術にこだわる姿勢から設計事務所からの信頼も厚く、設計事務所より建設会社として指名されることも多いそうです。
「自社のこだわりでやっていける範囲でしか受注しません」
会社の体制、大工さん・職人さんとのネットワークを考慮すると、手がけられる仕事の量は決まってくるという。
「あくまでも目安ですが、年間15棟が限界です」
ものづくりの意識が高い工務店は、仕事を依頼する大工さん、職人さんを厳選している。技術力があり、信頼のおける人に仕事を依頼することで、リモルデザインの考える「てまひまをかける」ことを実践できている。
「ありがたい話ですが、仕事が集中した際はお客様にお待ちいただくことがあります」
工務店は、新築の家だけが仕事ではない。自社で施工し、引渡し後の家の点検やアフターメンテナンスという重要な仕事もある。
リモルデザインは、今までに110棟を超える住宅を完成させてきた。
取材中も昔のお施主さんよりメンテナンスの相談の電話が入り、菅沼さん自らが対応されていた。
リモルデザインは、現在7人で運営しています。
設計担当、工事担当、経理担当がおり、男性4人、女性3人という構成です。
オフィスの内装も、自社でつくる家と同様にシンプルなデザインと「てまひま」かけた造りとなっています。
株式会社リモルデザインの「てまひまをかける」はここまでです。
次回は、株式会社リモルデザインの「言葉ではなく、仕事で語る」をお伝えします。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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