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公開日:2017.11.24  /  最終更新日:2018.11.03

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設計事務所・工務店家づくりのポイント家づくりと費用

設計事務所との家づくりはコスト調整が鍵!予算を守るためには概算見積りがマスト

注文住宅の家づくりにおいて、設計事務所に設計監理を依頼した場合、悩ましいのはコスト調整です。建築主にもこだわりが多く、設計事務所もその要望をふまえた設計を行いますので、最初の見積りで予算をオーバーすることは避けられないかもしれません。しかしながら予算を大幅に超過した設計は設計契約の債務不履行にあたるという判決も出ています。このコラムでは、見積りオーバーを極力避けるために知っておきたいコスト調整のコツについてお伝えします。

予算を守るためには概算見積りがマスト

設計事務所案件の一番の課題は「コスト調整」

通常、設計事務所はまず建築主の要望を聞いて設計し、施工者である工務店に見積りを依頼して見積書を提出してもらい、仕様やグレードを検討し、予算に合うように設計案を調整します。

当初の設計案は、建築主の要望や設計者の提案内容がすべて盛り込まれた内容になっているため、建築主の予算と希望するグレードが一致しないことがほとんどです。

設計事務所案件における問題点としては、予算を大幅に超えた設計案になってしまうことです。極端な場合ですと、建築主が設計事務所を訴えた事例もあります。「予算額を大幅に超過した設計は設計契約での債務不履行にあたる」とする高裁判決が確定し、設計事務所の間に波紋が広がりました。

見積り額の超過については、設計事務所としては「工事業者でない設計者に正確な見積りは出せない」としながらも、「建築主の工事予定額を遵守した設計をすべきことは明らか」、「工事予定額を上回る場合でも、その程度には限度がある」という判断を下しています。

設計事務所案件のコスト管理の実情

多くの設計事務所にとって、見積り額のオーバーは日常のことだと思われます。決して設計者本人に悪気はなく、建築主の要望と設計のプロとしての技術で設計案をまとめた結果を、見積書と照らし合わせながら減額のためのコスト調整を行う認識でいるからです。

設計事務所案件におけるコスト調整の問題点としては、下記の3点にあります。

  1. 見積り金額が工事予定額と離れすぎること
  2. 建築主と設計事務所との間でコスト調整に関するコンセンサスが得られていないこと
  3. 設計事務所に設計内容に対するコスト感覚が欠落していること

まとめると、コスト管理とコミュニケーションの不備ということになります。設計事務所に求められるのは、設計の依頼を受ける際は、建築主の要望を聞きつつ現実的な予算との兼ね合いを見極めることが重要なのです。設計事務所は建築主の要望をすべて聞き入れて設計を進めても、建築主の予算が少なければそれを実現できず、手戻りは多くなるはずです。設計事務所は建築主の要望を聞きつつも、予算に合った提案ができなければ設計のプロとは言えません。

設計事務所案件の見積りオーバーを防ぐには概算見積りがマスト

設計事務所案件における大幅な見積りオーバーを防ぐための有効な手段としては、基本設計段階での「概算見積り」があります。

実力、実績のある設計事務所は、施工を依頼する工務店を決めていることが多いので、この工務店に基本設計段階で必ず概算見積りを依頼して、設計内容と予算のすり合わせを早期に行うことにより、コストと時間軸を守るようにしているのです。

基本設計で、住宅の間取りや外観を暫定的に決定した上で、構造、設備、仕様などのグレードを示した資料を準備し、工務店に概算見積りを依頼して、その概算見積書を建築主に提示します。

概算見積書の金額が仮に予算をオーバーしていたとしても、残りの実施設計の期間で住宅の規模や仕様を調整することで減額をすることは可能です。そうすることで設計完了時に正式な本見積りを依頼する段階で、建築主もおおよその金額はわかっている状況になるのです。

早い段階から建築主、設計者、施工者間で綿密なコミュニケーションをとることで、設計案とコストのバランスを図ることができるのです。コミュニケーションがしっかりとれていれば、お金に関するトラブルを回避できます。

まとめ

建築主と設計事務所の関係は、以前と変わってきています。かつて設計事務所は、専門知識に乏しい建築主に対し、専門家としての優位性、主導権をもって設計を進めることが常でした。

しかし、設計事務所との家づくりを希望する建築主が増えてきた現在では、ギリギリの予算で注文住宅を望む建築主が多くなっている状況の中で、設計事務所のコスト調整力が問われています。

社会一般の認識としても、より消費者保護にシフトしている中で、設計事務所はこれまでのつくり手目線での「コスト感覚」で設計を行うことは許されない状況になりつつあります。

設計事務所、工務店は、このような建築主の意識を見極め、的確に対応できなければなりません。建築主からの信頼を獲得するためにも、根拠ある見積りや、コスト管理を実践するべきです。

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今回ご紹介させていただく優秀な設計事務所

有限会社関年希建築設計事務所 

お客様の「感性」や「ライフスタイル」に合わせて、巧みに設計案に表現する引き出しの多さが魅力です。木の家の良さにこだわって暮らしたい人、衣食住すべてを自分らしく楽しみたい人、日々の暮らしに緑を感じて暮らしたい人にとっては、信頼して家づくりを任せられる設計者です。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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