公開日:2020.04.22
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コロナショックによる住宅ローン破綻リスクに救援策が徐々に発表
住宅ローンの返済は家計に占める割合が大きい
コロナショックによる政府の緊急事態宣言が全国に広がり、多くの人が収入減への不安が広がっています。
国土交通省によると個人向け住宅ローンの2018年度の新規貸出額は約19兆円です。
コロナショックの影響は長期化の恐れもあるだけに、銀行は企業支援だけでなく、個人顧客に対しても「貸して終わり」としない対応が問われています。
特に住宅ローンの返済は家計に占める割合が大きいので、その支払い救済策は急務となります。
フラット35には新型コロナによる返済特例制度がある
住宅金融支援機構は金融危機などによる景気後退に備えて設けた住宅ローンの返済特例制度を新型コロナにも適用されることになりました。
新型コロナウイルス感染症の影響により機構の住宅ローンのご返済にお困りの方へのお知らせ
ポイントは下記です。
- 長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を提供する住宅金融支援機構は返済期間について最長15年間の延長に応じる。
- フラット35と旧住宅金融公庫による融資契約を結ぶ約160万件が対象で、提携先の銀行と協力して対応する。
- 対象は勤務先の業績悪化で収入が減った人や解雇された人、病気で返済が困難になった人など。
- こうした条件に加え、年収が年間返済額の4倍以下といった収入額の基準にも当てはまり、特例を使えば返済を継続することができると判断された場合に利用できる。
銀行も住宅ローンの返済条件の変更などに徐々に対応
緊急事態宣言の全国への拡大に伴い、金融庁は金融機関に住宅ローンを含めた個人向け融資の条件変更に柔軟に対応するよう要請しています。
新型コロナウイルスの影響による収入減で住宅ローンの支払いが難しくなる利用者の増加に備え、金融界が返済期間を延ばすといった対応に動き始めています。
各銀行ごとに下記のような対応が発表されています。(一例です)
- 顧客の収入状況に応じて毎月の返済額を減らすなど柔軟に対応
- 収入が減った利用者の返済期間を延ばしたり、複数の借り入れを一本化して返済負担を減らしたりする支援
- 住宅ローンの条件変更時の手数料を免除
- 新型コロナの影響で住宅の着工や引き渡しが遅れた場合に融資実行を先延ばし(入居できないのに金利負担だけ生じることを避けるため)
外出自粛やテレワーク等の対応もあり、金融機関側の審査体制をどう整えるかも課題です。
全ての業界で「デジタルシフト」が求められています。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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