公開日:2020.03.22
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アトリエフルカワ様の「桑の木保育園完成見学会」に参加
アトリエフルカワ様の「桑の木保育園完成見学会」に参加
桑の木保育園の完成見学会に参加しました。
設計監理は、アトリエフルカワ一級建築士事務所の古川さんです。
建設地は、埼玉県の東松山市です。
桑の木保育園は社会福祉法人わらしべ会様が運営する保育園で、新築の園舎としては熊谷市にある「わらしべの里共同保育所」につづく、埼玉県の木をふんだんに使った木造の保育園です。
JAS製材による中大規模木造の保育園
古川さんは、木材、特に製材(国産材)のエキスパートです。
木材利用の、川上から川下まで、精通しています。
最近は、電車の中吊り広告でもおなじみですねw。
中大規模の木造建築を国産材の製材で正しく実現するには、
・山側へ向けたコーディネートと
・設計者側の配慮というコーディネート
の二つの軸を明確にして進めうることが、コーディネートを成功させるために必要だと提唱されています。
現実的な大きな課題としては、
中大規模の木造建築を製材品(無垢材)でつくるとすると、材料の調達が大きな壁となります。
燃え代設計とする場合には、JAS機械等級区分製材であることが求められます。
つくっている人と使う人がつながっていないがために実現が困難になっているのです。
桑の木保育園について
保育園の設計で、個人的に思うことがあります。
下記のどちらのコンセプトで設計するかで、平面計画や仕上げ、使い勝手などが大きく変わります。
「こどもファースト」か、
「おとな(運営者、スタッフ)ファースト」か、
です。
この保育園は、前者の「こどもファースト」で設計された建築だと感じました。
管理や清掃、メンテナンスも大事だが、それ以上に子供たちの空間であることを優先していることをとても強く感じる、気持ちのよい空間でした。
外観の全景です。
外壁は、黒の金属板です。
雨樋はタニタハウジングウェア様の製品です。
色が、外壁のテイストと合っています。
この入隅部分の軒樋の納まりは、すごいですね…。
なかなか見ることのできない技術力、ディテールを見ることができました。
内部の間取りは、環境の良い、南側、東側に向けて保育室が配置されています。
園庭とのつながりがとてもよいです。
大空間のある保育室は、屋根を支える棟木に付けられた小屋束を、両側の壁からV字型に持ち出された登り梁が支える構造の架構になっています。
複雑な架構ですが、金物をうまく使って、美しさと強さを両立させています。
開口部が適切に計画されているので、見通しがよく、先生たちも子供たちの動きが見えやすい工夫がされています。
この保育園は、「燃え代設計による準耐火構造」とすることによって、子どもたちの木の空間を実現されています。
見学会終了後は、設計者の古川さんを交えて、懇親会を開催しました。
住宅設計の巨匠である伊礼智さんや、
この保育園の空調設備を担当された「環境創機株式会社」の友 良平さん、
「株式会社タニタハウジングウェア」の谷田泰さん、
「カメプランアーキテクツ一級建築士事務所」の大出達弘さん、
など多彩なメンバーで熱く語り合いました。
皆様、本当にありがとうございました!
そして古川さん、完成見学会に誘っていただき、ありがとうございました。
とても勉強になりました。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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