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公開日:2019.07.21

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空き家にしないために「住まいの終活」が必要な理由

「住まいの終活」を実行することが求められている

2013年の総務省「住宅・土地統計調査」によると、核家族化により、戸建ての4軒に1軒が高齢世帯だけで暮らしており、空き家予備軍が大量に控えています。

今後、同じエリアで空き家化が相次ぐと、エリア全体の価値が下がり、将来、相続する家族や親戚が対応に苦しむことになります。

空き家対応は、荒廃する空き家への「対症療法」だけでなく、これ以上、空き家にしないという「予防療法」が必要です。

住宅を所有する全ての人に、「住まいの終活」を実行することが求められています。

住まいの終活とは、相続発生前の、所有者やその相続予定者が元気なうちに、将来、住まいをどうするのかという選択肢を考えることです。

そのために必要な前提条件の整理や信頼できる相談先の目処をつけていくことが必要です。

住まいの終活が当たり前の社会になれば、空き家・空き地の増加による街の価値の低下や、空き家の所有者不明を予防し、ひいては市街地の持続的な世代交代を促すことにもつながります。

 

住宅のエンディングノート

住まいの終活を具体的に実行するためには、情報や手順を整理するために「エンディングノート」をつくる方法があります。

1.不動産のリスト化と必要な基礎資料を揃える

購入時の契約書類、重要事項説明書、設計図書、固定資産税納税通知書、登記事項証明書などを準備します。

戸建て住宅の場合は、土地の測量図関係、確認済証、検査済証などが必要となり、マンションの場合は最新の管理規約などが必要です。

 

2.不動産に関する情報を整理する

不動産の登記名義人や共有の状況など、売買など不動産の処分を円滑に進められるよう前提条件を確認します。

戸建て住宅の場合は、土地の境界確定の有無、前面道路の状況などが必要となり、マンションの場合は長期修繕計画や修繕積立金の状況確認などが必要です。

 

3.民間市場での流通性を判断

現在の周辺相場や取引事例を調査します。

 

4.住まいの将来の選択肢と相談先の検討

公的な相談窓口や、信頼できる不動産仲介・転貸・買い取り再販事業者、まちづくりNPOなどを調査します。

 

住まいの終活に向けた課題

住まいの終活には、下記のような課題があります。

・住まいの終活が必要だという意識の醸成

・住まいの終活を支える担い手やビジネスの育成

・引き取り手のない不動産の受け皿、流通のための仕組みづくり

・住まいの解体にもメリットがある税制などの充実

・将来、空き家になる可能性の高い立地での新築住宅の抑制

これ以上、空き家を増やして次世代に多大な負担を押し付けないように、社会全体で尽力する必要が重要です。

 

 

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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