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公開日:2018.05.06  /  最終更新日:2018.05.07

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鉄骨系のハウスメーカーも木造を建てる時代に想定されること

ハウスメーカーの中でも「鉄骨造」をメインに展開してきた会社が、新たな事業展開として「木造」を手がけるようになってきています。

根底には、住宅業界は今や、

「勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬかの競争」

になっており、鉄骨造だけでは生き残れないと判断し、自ら木造を手掛けることにしているようです。

 

ハウスメーカーとしては、自社の住宅ラインアップに、鉄骨造だけでなく木造の選択肢を加え、これまで取りこぼしていた顧客の獲得を狙っています。

会社により方針は異なりますが、木造を主に富裕層向け高額案件や、分譲住宅などに活用したいようです。

今後、厳しくなると見込まれる住宅市場に備えた動きかと思われます。

鉄骨系のハウスメーカーが、木造に取り組み基本スタンスは下記となります。

  • 建物の価格は基本的には鉄骨造住宅よりも安くしている。
  • 地場の工務店などと比べるとやはり価格は高い。
  • 耐震性能や断熱性能のほか、30年の保証を付けるといった品質で勝負する
  • 長期優良住宅を取得する方針で、耐震等級3、断熱等性能等級4を標準の仕様とする。

 

木造住宅の技術であれば、地場の工務店のほうが実力、実績もありますので、ハウスメーカーのこうした動きは特に大きな影響はないと思います。

ただ、気になることが二つあります。

一つ目は、木造の技術は工務店のほうが上なのに、ハウスメーカーのほうが独自の長期保証や、長期優良住宅のメリット、耐震等級3、断熱等性能等級4などによる基本性能の高さ等を訴求できるため、その部分で負けてしまうことです。

二つ目は、木造を自社で建てる体制の無いハウスメーカーが地域の工務店を自社の「施工部隊」としてアプローチしてくることです。

上記のことは業界の中で今までもあったことですが、工務店(大工)の「大減少時代」を迎えている中、優良な工務店がハウスメーカーの仕事をメインとされてしまうことによる弊害を危惧しています。

「自分(自社)だけは、懇意にしている工務店がいるから大丈夫。」

という人もおりますが、工務店をそれなりに知っている私は、猛烈な危機感を感じています・・・。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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