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公開日:2016.07.05  /  最終更新日:2018.11.03

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「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」の違いを知ろう

建築業界では、建てる仕組みのことを家の構造・工法と言います。その種類は大きく「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」の3つに分けられます。
それぞれの構造・工法で、家の間取りの自由度やデザイン、コスト、工期は異なってくるので、計画が進んだときに「希望の家が建たない?!」とショックを受けないためにも、その特徴を理解しておきましょう。

木造の工法とその特徴

木造とはその名の通り、木を使った建築方法です。

現在の日本では居住専用住宅のほとんどに採用されていて、在来軸組工法やツーバイフォー(2×4)工法、金物工法があります。

木造の工法とその特徴

1.在来軸組工法:
骨組みは柱、梁、土台、筋交(すじか)いで、間取りの自由度が高い。
土台、柱、梁を組み上げて建物の骨格がつくられる、もっとも一般的な工法。
筋交いという斜め材をバランスよく配置することで、地震や風圧に耐えることができます。間取りの自由度が高く、開放的にすることも可能で、日本の高温多湿な気候・風土に適しています。

2.ツーバイフォー(2×4)工法:
床・壁・天井の面で支え、耐震性に優れる

断面が2×4インチ等の木材でつくった枠に、構造用合板を釘打ちしたパネルを使います。そのパネルを箱のように組み立てるもので、枠組壁工法ともいいます。パネルが耐力壁となり地震にも強く、気密性にも優れます。施工がしやすく工期も短めです。

3.金物工法:
構造用集成材と専用金物を用いて、優れた耐震性能を持つ。

独自の接合金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁とを接合し、優れた耐震性能を実現する工法です。構造部材には平均強度が高く品質の安定した、JAS構造用集成材を使用します。構造用集成材とは、所要の耐力を目的として等級区分したひき板(ラミナ)を集成接着した材料です。構造用合板を耐力壁用の面材として使用します。

木造のメリット

  • 構造上の制約が少ないため、狭い土地や変形した敷地などにも柔軟に対応できる
  • 窓などの開口部の設計や間取りが比較的自由で、リフォームもしやすい
  • 内装や装備品、構造材の種類が幅広く、予算に応じて選びやすい

木造のデメリット

  • 施工技術に熟練が必要なので、業者の技術差によるバラつきが出やすい
  • 無理な間取りをすると屋根の形が複雑になり、雨漏りしやすくなる
  • 機密性や遮音性に劣る

 

鉄骨造の工法とその特徴

鉄骨造は、骨組となる鉄骨(鋼材)の太さにより「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」の2つに分けられます。一般的な規模の住宅では軽量鉄骨造が見られますが、規模が大きくなると重量鉄骨造が適します。いずれも工場で加工した鋼材を現場で組み立てるため、鉄筋コンクリート造に比べると短い工期で済みます。

鉄骨造の工法とその特徴

1.重量鉄骨造:
柱の間隔が大きくとれ、開放的な大空間がつくれる
軽量鉄骨より厚く強靭な重量鉄骨の柱と梁で構成され、高層の住宅にも対応可能。大開口や大規模空間づくりに適しています。工場で加工した鋼材を搬入し、クレーンなど大型機器を使って組み立てるので、道路が狭い敷地は要注意です。
2.軽量鉄骨造:
柱と梁、ブレース(筋交い)で支え、設計の自由度が高い
在来軸組工法に似た考え方の柱と梁、筋かいで支える構造。木造と重量鉄骨造の中間的な構造とも言えます。部材にはJIS規格品の鋼材を使用。精度が高く強度も安定しています。ハウスメーカーのプレハブ住宅でよく見られます。

鉄骨造のメリット

  • 使用される部材が工場生産されているので品質が一定
  • 耐久性や耐震性、耐火性に優れている
  • 軽量鉄骨造の場合、基礎工事が木造と同程度で済み、工期が短い
  • 重量鉄骨造の場合、間取りや開口部のとり方に制約が少なく、敷地の広さや形状にも柔軟に対応できる

鉄骨造のデメリット

  • 鉄骨造に共通して、湿気や結露で錆が出ると耐久性に影響するため防錆対策が必要
  • 軽量鉄骨造の場合、大きな空間の間取りには不向き
  • 重量鉄骨造のラーメン工法では、柱や梁(はり)型のでっぱりは避けられない

 

鉄筋コンクリート造(RC造)の工法とその特徴

鉄筋コンクリート造は、引張りに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートが一体となって建物を支える堅牢な構造で、RC造ともいいます。耐震性、耐久性、耐火性に優れますが、工期は長めで、コストも高めです。

鉄筋コンクリート造(RC造)の工法とその特徴

1.ラーメン構造:
頑丈な柱と梁で建物を支え間仕切りが自由にできる
ラーメンはドイツ語で、部材の接点を剛に接合した骨組のこと(食べるラーメンではありません)。柱と梁による頑強な構造で、大きな開口部や自由な間仕切りが可能です。柱や梁が大きく室内に露出しますので、内装設計には配慮が必要です。

 

2.壁式構造:
壁で支える強固な構造、柱のないすっきりした空間が可能
鉄筋コンクリートの壁によって建物を支える構造。柱や梁がなくすっきりした空間になりますが、壁の量を確保するため大空間が確保できないなど、間取りに制約があります。

鉄筋コンクリート造のメリット

  • 柱と梁だけで建物を支えるラーメン構造の場合、空間を広く取ることができる
  • 耐久性、耐火性、耐震性に優れている
  • 設計の自由度が高く、重厚感のある建物をつくることもできる

鉄筋コンクリート造のデメリット

  • 建築費が高く、工期も長い
  • コンクリートにできたひび割れから雨水が浸入して鉄筋に錆ができると、強度が低下する
  • ラーメン構造の場合無駄なスペースが生じたり、インテリアに影響を与えたりする場合がある
  • 重量があるため、軟弱な地盤の場合は地盤改良などが必要になる

家を建てるときにどの構造・工法を選ぶかは、重要な選択です。
敷地の形状や条件に適していることはもちろんですが、希望の間取りにできるか、将来のリフォームに対応できるか、工期、コスト、建物の耐久性、耐震性など、確認しておくべき項目はたくさんあります。
つくり手によって扱える工法が違いますので、ある程度自分の家づくりに適した工法を知ってから依頼先を検討しましょう。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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