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公開日:2017.08.29  /  最終更新日:2018.11.03

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設計事務所・工務店

家づくりは設計力が重要!工務店の設計力を判断するために必要なこと

家づくりの最初の一歩は、間取りやデザインを考える「設計」から始まります。工務店は小規模で経営している会社が多く、9割以上の工務店には「設計担当」がおりません。工務店に設計・施工で家づくりを依頼する場合には、工務店に設計力があるか、もしくはその工務店と協働する設計事務所に設計力があるかどうかを確かめることが重要になります。

家づくりは設計力が重要!工務店の設計力を判断するために必要なこと

工務店の設計に関する実態とは?

工務店が設計・施工で家づくりを依頼される場合、設計については自社の社員で対応するか、外部の設計事務所と協働するかのいずれかになります。

工務店と言っても、一人で経営している会社も大規模な会社もあれば業態もさまざまです。わかりやすく、業態のタイプで5つの分類をするとこうなります。

工務店が自社で設計を行なう場合は、工務店の社長もしくは設計担当の社員が担当します。住宅の設計力は、会社の実績や規模というよりも、属人的な要素で決まります。設計事務所に負けない設計力を持っている社長や社員もおりますし、一概に言えないというのが実情です。

自社による注文住宅の設計・施工実績が年間で10棟以上あるような工務店では、設計担当がいる場合が多いかもしれません。そうした工務店では、耐震性や省エネルギー性、自然素材の活用などと同時に、自社の作風を表現する「設計」にも力を入れている会社が多いです。

工務店が設計を外部の設計事務所に依頼する場合には、その設計者から提案される設計案や設計者としての実力を評価する必要があります。設計事務所と言っても、設計力や提案力などにはかなりの差がありますので、設計のプロだからといっても、あくまでも発注者として冷静に分析、評価する姿勢が重要です。

住宅系の設計事務所には大きく分けて、自社で営業して仕事を受注できる「独立型」の設計事務所と、ハウスメーカーやパワービルダー、工務店等の他社からの仕事を主に手がける「外注型」の設計事務所があります。多くの工務店の場合、設計を依頼しているのは後者の「外注型」の設計事務所です。

「外注型」の設計事務所にはさまざまなタイプの設計者がおり、「独立型」の設計事務所に負けない能力を持つ人から、外注の仕事が多いことから設計というよりも「図面作成」や「申請業務」が得意な人もおりますので、注意が必要です。

工務店の設計と設計事務所の設計はどこが違うのか?

住宅の設計における主な要点とチェックポイントは、主に下記の点になります。

  1. 配置計画:敷地に対する建物の置き方、外部のアプローチ、駐車場の関係等
  2. ゾーニング(部屋のエリア分け):敷地の特性、施主要望の反映等
  3. 間取り:快適な住環境が実現できる空間構成、導線計画、使い勝手等
  4. 美しくまとめる力:家具や照明、外構まで考えた総合的なバランス力
  5. 提案力:施主の要望に加え、プラスアルファの提案
  6. 耐震性に対する配慮:間取り、デザインと、構造的な合理性
  7. 温熱環境に対する配慮:イニシャルコストとランニングコストのバランスをふまえた設計
  8. メンテナンス性に対する配慮:住み始めてからの点検や補修がしやすい設計
  9. コスト感覚:施主の予算に合わせようとする意識
  10. お客様の要望を満たすこと

工務店の設計と設計事務所の設計の違いについて、筆者が今まで経験したことをふまえてまとめてみます。

工務店の設計スタイルの傾向

  • 上記の1〜5の点については、オーソドックスにまとめる傾向がある
  • 逆に上記6〜9の点については意識が高く、実践されている設計案が多い
  • 上記10の点を満たすことに意識が高く、設計のバランスがとれていない場合がある

設計事務所の設計スタイルの傾向

  1. 上記の1〜5の点については、工務店の設計担当者より優れていることが多い
  2. 逆に上記6〜9の点については、設計者の意識や能力、経験によってとても差が大きい
  3. 上記10については、施主の要望と設計のバランスをとることに配慮する

まとめ

日本の戸建て住宅の約7割は、工務店が建てています。工務店が設計・施工で家づくりを受注した場合には、設計は「工務店の設計担当者」か「外注の設計事務所」に委ねられます。工務店の社長に設計に対する理解が深いと、優秀な設計担当者が在籍している、もしくは外部の優秀でコミュニケーション能力の高い設計事務所と協働しているケースが多いです。工務店の社長との面談で設計に対する考え方を確認し、提案される設計案を自分の要望をふまえてチェックすることが重要です。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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