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公開日:2016.07.16  /  最終更新日:2018.11.03

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省エネルギー住宅・ZEH

補助金対象の「ZEH(ゼッチ)」。どんな家のこと?

住宅関連では、国の方針に合わせた家づくりをすると補助金が出ることがあります。
現在、補助金事業として注目されているのが「ZEH(ゼッチ)」。「ZEH」とはネット・ゼロ(Zero)・エネルギー(Energy)・ハウス(House)の略なのですが、いったいどんな家のことなのでしょうか。

補助金対象の「ZEH(ゼッチ)」

そもそも「ZEH(ゼッチ)」とは?

家づくりを考えている人なら、「ZEH(ゼッチ)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

「ZEH」とはネット・ゼロ(Zero)・エネルギー(Energy)・ハウス(House)の略語です。

「ネット・ゼロ・エネルギー」とは、その家で使われる年間の一次エネルギー消費量が正味=「ネット」でゼロになることです。

つまり「ZEH」を簡単に言うと、

  • 高い断熱性能と高効率設備を採用し、可能な限り省エネ化する
  • 太陽光発電システムなどを搭載し、エネルギーを創出する

というステップで、「創出エネルギー」-「使うエネルギー」=0(ゼロ)、または限りなくゼロに近くなった住まいのことなのです。

国は「エネルギー基本計画」の中で「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現する」と目標を掲げています。その達成のために、2016(平成28)年度は補助金を出してこのZEH化を推進しています。

国がZEH化を進める背景には、エネルギーの危機管理という視点があります。
日本では特に東日本大震災以降、エネルギー供給のあり方に注目が集まっていますね。
一般の家がこのZEHに置き換っていけば、大災害が起きてもそれぞれの世帯でエネルギー自給できます。
また、日本全体で使われる総エネルギー量も低く抑えられるため、これまで他国に依存していたエネルギー資源も減ることになり、対外政策の安定化にもつながるかもしれません。
そして何よりZEHはすまい手に、省エネ化による経済的なメリット、断熱性の高い家に暮らす快適さをもたらしてくれます。
太陽光など再生可能エネルギーを利用しますので、現状よりも環境に対する負荷が減るところもポイントです。

2016年はZEHに補助金がついている!

そんなわけで、すまい手にもメリットの大きいZEHを建てるのなら、国による補助金事業が行われている2016年度はお得な年だと言えます。

今回の補助金事業は第六次公募(9月2日17時締切)まであり、交付要件を満たす住宅には一戸あたり一律125万円(交付要件を満たし、寒冷地特別外皮強化仕様の住宅は一戸あたり150万円)の補助金が出ます(蓄電システムがあれば、加算される場合も)。

しかし、補助金を受けるには要件をクリアしたうえで審査を受ける必要があり、申請したからといってすべての人が必ずもらえるというわけではありません。
補助金を狙いたいのなら、まずは最低限、下記条件を満たせるか確認してみましょう。

締め切りに注意!

補助金の申請期間は2016年9月2日(第六次公募)となっています。
家の具体的な仕様や設備が決まらないと申請できないので、現実的には、つくり手と契約を結び、プランも決定した状態で申請することになります。
建てたい家のイメージがしっかり固まっている方はスピードアップすればよいのですが、そうでない場合、家づくりは焦ってよいことはあまりないので「補助金ありき」はおすすめしません…。

つくり手に注意!

補助金申請できる家は、認定団体であるSIIに登録されたZEHビルダーが設計、建築または販売を行う住宅に限られています。
このZEHビルダーはSIIのサイトで調べることができます。
https://sii.or.jp/zeh28/builder/search/

ZEHであるための最低条件

●断熱性が高いこと
住まいの断熱性を見るのには、UA値(外皮平均熱貫流率)という数値を用います。
この数値が小さいほど断熱性に優れているということなのですが、ZEHではこの値が0.6以下でなくてはなりません。※平成28年度補助金の基準(4~7地域)。
ちなみに、2020年に義務化される省エネ基準のUA値は0.87です。

●高効率設備機器を採用していること
エネルギーを消費する住宅設備(エアコン、給湯器、照明器具など)は、できるだけ少ないエネルギーで効率的に動かせる省エネ対応のものを選びます。また、「HEMS(ヘムス)」(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を採用して、使う電力を自分で認識し、コントロールすることも必要です。

●太陽光発電システムを搭載していること
エネルギーを一切使わない生活は現代では無理なので、徹底的に省エネしても、それだけでは消費エネルギーをなくすことはできません。
その、どうしてもなくせないエネルギー消費分を、エネルギー創出(創エネ)で補うというのがZEHの根底にある考え方です。
一般家庭でエネルギーを生み出す場合、現在もっとも一般的なものは太陽光発電です。石油やガスなどの外部資源に依存しないエネルギーなので、停電時などでもエネルギー自給もできますね。

まとめ

これからの家づくりでは、補助金に関わらずZEHを目指しましょう。
この記事を書いている時点(2016年6月)で、一次公募期間(4/28~5/20)の申請が審査され、6月に公布決定した報告がありました。
応募総数2,095件に対して、補助対象事業は1,584件(先行交付決定413件を含む)です。
補助金を受けられるのはお得感もあり、いいことですが、そうでなくてもエネルギーを大切に使い、高性能の家を建てるという発想はこれからの家づくりに必要な観点です。
ZEHは補助金事業ですので、かなり細かくその定義、要件が設定されています。
全部採用しないにしても、経済的なメリットも、健康的な生活も手に入るZEHの仕様を家づくりのモデルにしてみてはいかがでしょうか。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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