公開日:2018.03.15
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木造住宅は法律や基準を守っても耐震性の確保は実現しない
私は起業する前に、木構造メーカーで約10年間、設計事務所様向けの営業担当をしておりました。起業後も建築士の方とお会いする機会も多くありますので、木造に関する相談や悩みをお聞きすることもあります。
木造に関する法律や基準、そして構造設計、構造計算、プレカット、施工技術に関しては、様々な問題が残っています。
木造の場合「法律や基準を守っている=木造住宅の耐震性の確保」という図式にならないことが最大の問題点です。
家づくりのプロである設計事務所や工務店の多くも、建築基準法や関連基準を守っていれば問題なしと思っていることが、大きな誤解なのです。
建築基準法や関連基準を守っていれば、確認申請は取得できます。確認申請を取得することで、耐震性の確保もできているという勘違いをしている建築士が圧倒的に多いのです。
木造は、「構造計算した内容の強度」と、「実際の木造躯体の強度」(材料の加工や強度、現場の施工技術などによる)が同等程度になることが難しいのです。
木造で本当に耐震性の高い建築をつくるためには、「構造計画、構造設計、構造計算、プレカット精度、施工方法」がセットで実現しないと無理なのです。
木造住宅の耐震性確保の問題は、あえて例えると「海外旅行保険」の考え方に近いと個人的には思っています。
・保険に入るのは、あくまでも任意(強制ではない)
・自分が望む補償に応じて、金額が変動する(コストが上がる)
・クレジットカードに付帯する補償でよい(万全ではない)
・トラブルがなければ、もったいない(地震はいつ来るかわからない)
・料金は意外と安い(耐震性を高くするための性能アップのコストは家全体の金額からすると微々たるもの)
エンドユーザーのお客様に家づくりをお伝えする立場として、お客様に相談を受けた際には、
住宅に耐震性という「保険」をつけるかどうかを確認しています。
そして「保険」をかけることを希望するお客様には、下記のことをおすすめしています。
1.「構造計算」を必ず行う(壁量規定はNG)
2.「耐震等級3」を確保する(可能な限り耐震性を高めておく)
3.「金物工法」を採用する(つくり手の力量を問わない)
木造の構造計算の問題が本格的に議論され始めたのは約20年前からです。この間、いろいろな災害もありました。
まずは当たり前のように上記の1〜3を実践している「つくり手」の皆様と、しっかりネットワークを構築していきたいと思います!
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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